Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

一般の方向け

延命治療を強いるのは50代息子が多い

diamond.jp看取りの場で、「救急車を呼べ!生き返らせろ!」と叫ぶ息子。 そんな場面からこの記事は始まります。80代、末期がんの親。 望まない経鼻栄養を強いただけでもどうかと思うところです。 傾向としては、お嫁さん任せで、なかなか介護にコミット し…

生き方を記すこと

あなたが認知症やがんの末期になったとしたら、どこで療養し、 どんな治療を受けたいか、どんな治療は受けたくないか。 考えたことはありますか?ぼんやりとはあるかもしれません が、深く考え、まとめて記す作業をしている方はあまり多くは ないようです。…

悔しい想い

今日のyomiDr.にこんな記事がありました。yomidr.yomiuri.co.jp 義父は 膵臓すいぞう がんと診断された。開腹手術― 抗がん剤治療―入院。徐々に悪化し、翌年5月、家族は 医師に呼ばれて「これ以上治療できない。緩和ケア病院 に移ってほしい」と告げられた。…

がん治療中止における家族間の葛藤

今日はこの記事について考えてみました。kenko100.jpまず、本文の主旨とは違いますが、「緩和ケアを受ける」 という言葉が、(がん治療を中止し、)緩和ケア病棟に 入院する、という意味合いで使われています。 このブログでも何度もお話している通り緩和ケ…

「自宅で最期」が意味するもの

昨日に引き続き、新城先生のブログからお話をさせて頂きます。drpolan.cocolog-nifty.com また、自宅で過ごして私のような在宅医が治療やケアを行って いても、本当に家で亡くなりたいと本心から思っている人は 全体の3割です。ということは、残りの7割の患者は…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(2)

前回の更新からだいぶ時間が空いてしまいました。 今日は前回に引き続き、高齢者の誤嚥の問題を考えたいと 思います。さて、まず医療者、介護者にはだいたい常識的にお分かり だと思いますが、『要介護者』に当たる高齢の方々は、 どんな原因で亡くなってい…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(1)

7月に埼玉県の特養に入所中の86歳の女性が食事中に誤嚥し亡くなり、 「母親が亡くなったのは施設の介護ミスが原因」として40代、50代 の息子さん二人が提訴したという記事が出ていました。www.bengo4.comこの記事によると非常に短い時間で食事を詰め込んだ事…

「訪問診療をせずに往診だけお願い出来ますか?」

訪問診療をやっていると、表題のような質問を受けることが 時々あります。そもそも訪問診療というものが分かっていない 方が大部分だと思いますので少し説明をします。在宅療養支援診療所(在支診)が制定され、今の形の訪問診療が 始まったのが2006年です。…

ケトン食ががんを消す

更新が空いてしまいました。 今日は2016年に出版された、こんな本の話題を。ケトン食ががんを消す (光文社新書)作者: 古川健司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2016/10/18メディア: 新書この商品を含むブログを見る『がんが消えた系』の本は大半インチキだと…

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった

非常に面白い本だったので御紹介します。うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)作者: 藤川徳美出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/07/19メディア: 新書この商品を含むブログを見る私がいつも勉強させて頂いているひらやま脳神経外科 のブロ…

がんと闘う

『闘病』という言葉があります。 がんの場合狭義には手術・放射線療法・化学療法 (いわゆる三大治療)などがんの治癒や延命効果を 期待した積極的な治療を受けることを指す場合もあり ますが、もっと広い概念で『病と対峙し生きる』 ことを指すこともあるか…

身体拘束は減らせるか

高齢者への身体拘束とは、施設や病院などで、認知症などの 高齢者を、「治療のじゃまになる行動がある」、あるいは 「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトン などの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすること をいいます。部屋に…

「なんとめでたいご臨終」で私が感じた違和感

なんとめでたいご臨終作者: 小笠原文雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/06/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る昨日、この本の紹介をさせて頂きましたが、本日は その続きです。書籍の主旨には賛同しますし、決して ケチを付ける目的ではあり…

なんとめでたいご臨終

なんとめでたいご臨終作者: 小笠原文雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/06/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る在宅医、小笠原文雄先生の著書。 すごい売れ行きでAmazonでは早々に品切れになって いました。もうすぐ重版が出るようですが、私…

がんの告知と自殺率

がん全体の5年生存率は上がっており、50%になると言われ ますが、依然がんは死の病のイメージが強く診断後自殺して しまう方が多いと問題視されています。まず、私の過去の記事を御紹介します。blog.goo.ne.jpこちらで私はニューイングランドジャーナルオブ…

末期がん患者さんの吐下血

報告によりまちまちではありますが、末期がんの患者さんの 1~5%に顕著な吐下血が起こると言われています。特に吐血 は御本人にとっても死を強く連想する恐ろしい出来事だと 思います。この場合医療者は、家族はどのような対処をすべき でしょうか。まず、…

目的と手段を入れ替えてはいけない

Twitterで見た、ある薬剤師さんのツイートを御紹介します。 在宅医療の主語は誰か? 他ならぬ患者さんである医療従事者が訪問するから在宅医療なのではなく、 患者さんが自宅で暮らしながら受ける医療が在宅医療なんだと思うだからこそ、訪問は手段なんだと…

「身の置き所のなさ」

がんの終末期に、表現のしようもない辛さを経験する 患者さんがいらっしゃいます。このような場合、表題の 「身の置き所がない」と表現される場合があり、 また逆にこちらから「身の置き所がない感じですか?」 と問い、肯定される場合もあります。しかし、…

認知症~安全よりも大切なもの

2015年に、関西のカジノやパチンコ、マージャンなど 娯楽設備を備えた介護施設について、行政はパチンコ やカジノを主なリハビリ手段として使用すること、施設内 で流通する疑似通貨の使用を禁止する条例を制定しました。 理由は、高齢者がギャンブル依存症…

認知症患者さんと三八式歩兵銃

数日前、Twitterでこんな写真入りのツイートを見ました。介護施設で、認知症の患者さんに旧日本軍が使用していた 三八式歩兵銃のモデルガンを渡したところ、今まで座って ばかりだった人が立ち上がって歩き出した、という記事 でした。昔の戦争の記憶が脳を…

がん医療の狭間

東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターの大津秀一 先生のブログから。ameblo.jp抗がん剤治療の継続が困難になると、これまでの担当医の 外来に通院出来なくなる事がしばしばあります。がんの 治療医は多くの治療中の患者さんを担当しており、その後 …

認知症~家族介護の難しさ

私は今グループホームや老人ホームへの訪問診療は 行っておらず、訪問しているのは全て患者さんの自宅 です。独居の方も多いですが、大半は御家族が同居し 介護されています。つくづく思うのは家族介護は家族ならではの難しさを 持っており、しばしば非常に…

『100点中10点』に思う

6月24日のm3(エムスリー)に、めぐみ在宅クリニック院長、 小澤竹俊先生のインタビューが載っていました。ホスピスを 経験し、現在は訪問診療医として多くの患者さんと関わり、 たくさんの方を看取って来られた先生です。診療体制に ついてのお話のあと、こ…

死に目に会う

小林 麻央さんの旅立ちがニュースになっていました。 私は芸能界に疎いのですが御夫婦の姿をネットで度々 拝見し、子を持つ親としても穏やかで優しい時間が 過ごせることを願わずにはいられませんでした。 海老蔵さんは麻央さんが亡くなる瞬間に 立ち会えた…

点滴に代わるもの

初めにお断りしますが、本日のエントリーはかなり 主観が入ります。終末期の医療に対する、私の個人的 な考えと御承知の上、お読み頂ければと思っています。ここ数日、末期がんの患者さんの看取り前の体調変化と 輸液についてお話をして来ました。正確な予測…

終末期に点滴をしないで苦しくないのか

少し前の記事ですが、yomiDr.にこんな記事がありました。yomidr.yomiuri.co.jpタイトルを読んで、多くの医療者はキョトンとするかも しれません。点滴をしないと苦しむ?…誰が?家族…?と いうのが私の最初の反応でした。しかし、医療従事者ではない、看取っ…

がん終末期の輸液について

昨日は、残された時間のがん患者さんに現れる身体的 な変化について簡単にお話しました。患者さんの食事 や移動能力、眠る時間等がどれくらいの速度で変化して いるか。また時にはがんがCT等でどれくらいの速さで 大きくなっているか、採血の結果はどうか…

がん終末期の症状について

がんも種類によって経過が違いますが、多くの患者さんで 当てはまることは、最後の2~3か月からの病状の変化は とても速いということです。分かりやすい変化としては、・食事が極端に少なくなる。 ・移動が大変になる。 ・眠る時間が増える。等の症状の変化…

終末期の在宅酸素使用は保険適応外

先週末、私がTwitterで取り上げた話題です。 多くの方に知って頂いた方が良い内容なのでブログでも お話させて頂こうと思います。まず、6月15日の記事にも書きましたが、終末期医療は 患者さんの苦痛を取り除くために行う医療には保険適応 外のものが多く、…

在宅緩和医療、保険適応外の壁

2017年6月7日の、薬事日報の記事です。 とても大きな問題だと思うので紹介させて頂きます。www.qlifepro.com緩和ケア領域の薬剤は保険適応外処方が多く、病院から 在宅へのスムーズな以降に支障を来たす例があるという内容。 長野県の医師を対象としたアンケ…