読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

一般の方向け

医療と祈り

宗教と医療は一見、相容れないものという印象が あります。医療は科学であり、根拠・裏付けが はっきりしいているのに対して、宗教の本質は 究極的には「信じる」ことであって、根拠が明確 なものを信用することは「信仰」とは言いません。また、「エホバの…

終末期のリハビリテーション

最近愛読している、終末期・緩和ケア専門のリハビリを 行う理学療法士・藤田さんのブログの記事です。kanwakea-fujita.hatenablog.com毎回興味深いテーマをするどい視点で書いておられる のですが、読者登録が少なくもっと多くの方に読んで 頂ければ良いのに…

「誤診だらけの認知症」

誤診だらけの認知症作者: 座間清出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/11/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る御自身の親族が誤診から体調を崩された事が 切っ掛けで認知症診療に携わるようになった 座間清先生が、現在の認知症に…

高齢者の認知症とうつ病の鑑別

昨日、高齢者の認知症とうつ病の鑑別が困難な場合 がある事に触れましたので、その見分け方について お話をさせて頂きます。医療者には当たり前過ぎる 内容かもしれません。まず、区別と言っても認知症の患者さんにうつ病が 発症する場合もある訳ですから、…

「老人性うつ」

老人性うつ (PHP新書)作者: 和田秀樹出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2012/03/15メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログを見る老年精神科医、和田秀樹先生の著書。 なんと言ったら良いのだろう…。 一言で言うと、この先生は大丈夫だろうか、 …

「うちのセンセイ」

ブログを始めて2ヵ月が経ちました。 なかなか長続きせず、油断すると更新しなくなって しまうタチなので、今回は敢えてはてなProという 有料のブログに挑戦しています。 さすがにこの週末から数日間は多忙で書けなかった ものの、有料がプレッシャーになり更…

緩和ケア医とDr.キリコ

手塚治虫先生の代表作『ブラックジャク』にDr.キリコ という医師が登場するのですが、御存知でしょうか? 助からない患者さんを「法に触れない方法(!)で」 安楽死に導く、という仕事をしています。ブラック ジャックでは準レギュラー的存在で、全部で9回…

がん代替療法、医師の態度

本日は最近読んだ朱郷 慶彦さんのブログを紹介します。 朱郷さんは小説や脚本を手掛けるライターですが、 2015年11月に末期がんの宣告を受けています。 ブログの記事は、 朱郷さんが代替医療の話に触れた 途端、読者からの批判が相次いだ、という内容です。g…

胃瘻が減って、経鼻が増えた!?

文春オンラインより。bunshun.jp 2010年、自然に任せて穏やかな最期を迎える「平穏死」 を提言してから6年が経ちました。その間、終末期医療の 現場は大きく変わりました。中でも特筆すべきは、胃ろう で栄養補給をしている認知症高齢者が、56万人から20万人…

「臨床宗教師」

我が国では、医療と宗教は相容れない存在である かのように扱われています。 山崎章郎さんが東北大学医学部で講義されたことが あって、それを聞きに行った時のことだ。宗教性の 重要性を話し始めた途端、学生たちはうすら笑いを 浮かべていた。なんとも異様…

川崎市立井田病院の取り組み

昨日もお書きした通り、がんの治療中の患者さんも 痛みや嘔気、四肢の痺れや不安、不眠等様々な症状 に悩まされている方がおられます。しかし治療中の 患者さんの多くは満足な症状緩和治療を受けていません。 一方緩和ケア外来は、「緩和ケア病棟」に登録す…

「早期からの緩和ケア」は実践出来るのか?

がんの終末期の患者さんの苦痛を軽減する目的で行われて 来た「ターミナルケア」は、より早期の患者さんに対して も必要なケアであるという理解が深まり、「緩和ケア」と 呼び名が変わりました。しかし多くの患者さんは、いえ、 医療者ですら「緩和ケア」=…

「治さなくてよい認知症」

本日は書籍の紹介です。治さなくてよい認知症作者: 上田諭出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2014/04/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る老年期精神医学の専門家である著者が、今の認知症医療 の問題点、疑問点を取り上げた一般向けに書かれた…

胃瘻が「卒業」出来る患者さんの割合は?

胃瘻は口からモノを摂れなくなった患者さんの胃壁に 穴を開け、直接胃に栄養剤や水、薬を注入する方法です。栄養剤で栄養状態が改善すれば、治療中の病気が良く なればまた嚥下機能も改善し、食事が摂れるように なるのではないか?それはその通りなのですが…

モルヒネを13年間飲み続けた患者さん

またもやTwitterからの話題になりますが、こんなニュース を見掛けました。毎日新聞の医療プレミアから、 『緩和ケアの誤解 医療用麻薬は怖くない!』。少し前の 記事でした。https://mainichi.jp/premier/health/articles/20151202/med/00m/010/016000c私が…

医師ならばその治療を受けるのか

救急ドラマの患者さんは殆ど元気になりますが、 現実とのギャップがあり過ぎです。 心肺蘇生を受けた患者さんで一ヶ月後に生きていたのは8%、 社会復帰したのは3%。これでも多いと感じるのが医療者の 感覚です。メディアで奇跡ばかりをとりあげれば、それは …

胃瘻を作らないことは「弱者の切り捨て」か

昨日Twitterでこんな記事を見掛けました。headlines.yahoo.co.jp京都市で、市民が自分の終末期に備え、胃瘻や 人工呼吸器等の治療に対して、また療養の場所 などを予め書いておく事の出来る「事前指示書」 が配布され、物議を醸しているというニュース です…

「人は死ぬために生きる」のか

今はなくなってしまいましたが、以前『桜町病院 聖ヨハネホスピス』のホームページにアクセスすると、 「ホスピスはあなたらしく生きる場所です」という メッセージが流れていました。ホスピスはしばしば「死ぬ場所」と考えられていますが 本当は「苦痛を和…

医療リテラシー

リテラシー(literacy)という言葉を頻繁に目にするように なりました。これを読んでおられる多くの方々に今更説明 は不要だと思いますが、一言で言えば情報を理解・解釈し、 真偽や有益性を吟味し、人生に役立てていく能力を言います。 特にメディア、経済…

医師に出来てAIに決して出来ないこと

昨年から今年にかけて、AI(人工知能)に関する記事、特に 医療においても積極的にAIを活用していこうとする、あるいは 既にこんなことが研究されているという記事を目にするように なりました。AIの性能はまだまだ発展途上もいいところですが、たとえば IBM…

最高の5分を演じる患者さん

百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、 逆に自分のみているものだけが正しいと思い込むと 色々なものを見落とすことになる場合があります。たとえば入院している患者さんの場合、最も近くに いるのは看護師さんです。多くの場合患者さんは 体調の変…

認知症患者さんの易怒について

昨日は認知症の患者さんの暴言・暴力の話をしました。 認知症の患者さんと関わったことがある方であれば、 「怒りっぽい方が多いなぁ」と感じられた事がある かもしれません。約半数の認知症の患者さんにこの易怒 がみられると言いますが、私はこの「易怒」…

98%が「暴言や暴力受けている」

昨日の記事の中に、介護者である家族(親族・同居人) が要介護者である認知症の方、高齢者を虐待してしまう ケースが年間にどれだけあったかをお書きしました。 読んで下さった方、覚えておられますか?年間、15000件です(平成26年度)www.mhlw.go.jp 相談…

介護殺人

昨日また、介護殺人の記事がYOMIURI ONLINEに出ていました。 sp.yomiuri.co.jp4月2日、朝日新聞の一面で『入院病床 1割減らす計画』 という見出しの記事が掲載されたのは記憶に新しいと思います。 また、横には「在宅医療促す」とあります。また同時に 「介…

お迎え

まずは2012年8月放送のクローズアップ現代のページを 御紹介します。www.nhk.or.jpなんだか私のブログ、クローズアップ現代の記事が多い ですが別にNHKの回し者ではありません^^; この番組は結構介護・看取りや死に関する特集が多いもので。さて、実は過…

遠方に住む家族

医療者にとって、最も苦手な存在のひとつが、患者さんの 体調が悪くなった時に初めて現れる、「遠方に住む家族」 ではないでしょうか。普通我々は患者さんの近くで実質 患者さんを支えている中心人物をキーパーソンと呼びます。 体調が悪い患者さんに代わり…

また夜がやって来る

昨日NHKのETV特集で、「こんなはずじゃなかった 在宅医療 ベッドからの問いかけ」という番組がやって いました。70年間在宅医療を行って来た早川 一光医師 が、自ら末期がんとなり訪問診療を受けている。ずっと 「畳の上での養生は天国」と説いて来た早川医…

迫りくる「息子介護」の時代

本日は同名の本の紹介です。 本の帯に「介護なんて俺には他人事」と書いてある、 その横に移った男性の表情がほんとに「他人事」 っぽい感じでちょっと笑えました。 迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から (光文社新書)作者: 平山亮,解説上野千鶴子出版…

看取り士

数年前に「看取り士」柴田久美子さんを知った時は衝撃でした。 看取りを職業にする、という発想自体がまず斬新ですが、24時間 寄り添い、抱きしめて送る…。すごいの一言で、まさに理想の 看取りを実践されているのではないかと思いました。幸せな旅立ちを約…

孤独と痛み

ホスピスで仕事をしている時に出会った患者さんの話です。 60代の女性、肺がんの腰椎転移で両下肢が麻痺してしまった 状態で、その患者さんは入院されて来ました。お気の毒です が、それでも幸いなことは麻痺のために痛みの程度は強く なく、少量の麻薬でき…

ホスピスの実情

本日はホスピスについて、知られているようで知られていない、 しかし多くの方に知って頂きたい内容をまとめてみます。 殆どの医療者にとっては常識の話題になります、御了承下さい。www.hospat.org まず、教科書的な説明は、例えば↑この辺りをご覧になると …

内科医から見たユマニチュード

ユマニチュードはフランスのイブ・ジネストさん達に よって考案・研究され、東京医療センターの本田医師ら によって日本に紹介された、特に高齢者・認知症患者さん に対して行う医療・介護者向けのメソッド(哲学・スキル) のこと。百聞は一見にしかず。ユ…

DNRの患者さんではないのですか?

DNRは「do not resuscitate」の略で、主に患者さんの 予後が不良である時、急変が起こっても御本人もしくは 家族の同意で心肺蘇生を行わない事を指します。例えば がんの末期の患者さんが心肺停止となった時、救命処置 で再び心拍が再開しても、遠くない将来…

終わらない抗がん剤治療

訪問診療・緩和ケア医として出会う患者さんの中には、病状が 進行し、およそ適切ではないと考えられる時期でも抗がん剤 治療が続いている事があります。しかも、これはめずらしい事 ではありません。当初は効果が期待されたであろう抗がん剤も 患者さんの状…

『末期がんは手をつくしてはいけない』

この本は前のブログでも紹介させて頂きましたが、ホスピス に勤務されていた金重 哲三先生の著書です。絶版となって いましたが、今回Amazonのkindle(電子書籍)でこの本が 販売されているのを発見しました。私は過去に金重先生から 書籍をPDFで頂いたので…

余命告知が患者さんに与える影響

本日は「余命告知」について。今日のお話は、2015年11月 に『Journal of Clinical Oncology』という雑誌に載った 以下の論文に沿ってお話をさせて頂きます。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4737862/この文献は非常に有難いことに右上のPDFを…

お一人様の在宅死(2)

昨日の続きです。具体的に在宅死にはどのような考えが必要か まとめてみたいと思います。1.出来る限りの準備をすること まず、我が国で「良い死」が偶然やって来ることはとても 少ないとお考え下さい。出来れば元気で余裕がある時に、 最低限以下を読み、特…