2019-01-01から1年間の記事一覧
Aさんは、あるかなり進行したがんの患者さんです。 一時期抗癌剤が効いて安定した時間を過ごせていましたが 治療に効果がなくなり、そんな中がんが原因と考えられる 腸閉塞で入院となりました。運よくイレウス管が抜けて 退院出来ましたが、腹水は溜まり食…
昨日、「施設系訪問診療のピットフォール」という勉強会 に参加させて頂きました。その中でとても共感したことは、 施設の「担当者」、これは主に看護師さんですが時に 施設長さん等も含みますが、要するに「本人」と「家族」 以外の担当者が介在する難しさ…
最近、とある訪問看護ステーションが24時間対応の体制を やめたとお聞きしました。長くお付き合いをさせて頂いて いるステーションで、今後も良い関係を続けられたらと 思っていたので残念に思いました。もちろん、考え方の問題であり良い悪いではありません…
厚生省の発表した、ACP普及のためのポスターに批判が 集まり、自治体へのポスターの発想やPR動画の公開を 中止にしたという記事が出ていました。www.asahi.comこのポスターは厚生省が吉本興行へ作成を依頼していた ものらしく、対象は「ACPは他人事」と思っ…
癌で療養中の患者さんが訪問診療を希望する段階、つまり 病院に通うことが難しい時、その患者さんに残された時間 は2~3か月以内ということが多いです。そしてこの2~3 か月は、これまでの数年に比べてずっと症状の変化が大きい です。私達は多くの患者さん…
がんの突発痛に使用するレスキュー製剤。オプソ、 オキノーム、ナルラピド等ありますが、レスキューの 使用が1日3回を越えるような場合にはベースライン のオピオイド増量を検討する(あるいは異なる 痛み止めを追加する等)ことが多いと思います。ただ、時…
ある患者さんの、レスキューで使うオキノームの 使用状況が不適切だったので確認したところ、 誰がどこで説明したのか分からないのですが、 御家族は5分経ったら再度使用して良い、と理解 されていたことが分かりました。オキノームはオピオイドを使用してい…
前回、野田あすかさんの本から居場所について思ったことを 書いてみました。居場所とは、気持ちの通じる相手がいて、 「このままで、居てもいい」と思える場、そこにいれば 「頑張れる場」のことだと私は思っています。今日はこの 「居場所」を医療の側面か…
CDブック 発達障害のピアニストからの手紙 どうして、まわりとうまくいかないの?作者: 野田あすか,野田福徳・恭子出版社/メーカー: アスコム発売日: 2015/05/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る私は普段殆どテレビを観ないのです…
私は痛いこと、苦しいことが苦手な人間なので、患者さん の苦痛を減らす仕事がしたいと緩和ケアを学びました。 痛み止めの使い方を覚え、セデーションの方法を学び、 ある程度自信を持つまでにはそれ程長い時間はかかり ませんでした。しかし、そんな頃イン…
在宅でお看取りとなる、多くの方に私はこの皮下輸液という 方法をとります。人は最期のときに近付くと、次第に柔らかい 食べ物しか受け付けなくなり、やがて水分を摂ることも難しく まります。水分なしで人間が生きることが出来るのは多くの 場合数日から長…
Dr.和こと長尾和宏先生が、また鎮静について書いておられました。blog.drnagao.com面識はないですが非常に熱心な良い先生だと思います。 文才もおありなので、在宅医療や平穏死について数多くの本 を書かれ、啓蒙活動にも力を入れておられます。 賛同出来る…
皆さんは、「7つの習慣」を御存知ですか?完訳 7つの習慣 人格主義の回復作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン出版社/メーカー: キングベアー出版発売日: 2013/08/30メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (9件) を見る…
『死ぬときぐらい好きにさせてよ』 これは樹木希林さんの『120の遺言』のサブタイトルです。樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)作者: 樹木希林出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2019/01/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見…
やはり名称を変えた方が良いのかもしれない…「緩和ケア」のこと です。kotaro-kanwa.hateblo.jpこちらにも書いたのですが、我が国ではまず「ターミナルケア」 という言葉が使われるようになりました。がん終末期の苦痛を 軽減させるケアを指しますが、後に苦…
昨日の続きです。昨日の記事はこちら。kotaro-kanwa.hateblo.jp『在宅がん医療総合診療料』は在宅で療養されている末期がんの 患者さんに行われる在宅医療のひとつのかたちで、「医師と 看護師合わせて週4回以上」の訪問を条件にやや高額の医療費が クリニッ…
6月22日の日本経済新聞で、山崎章郎先生が『在宅がん医療総合 診療料の課題』を取り上げられました。私も色々と問題が起こり 得る制度だと思っていましたが、どういう訳かこれまであまり 問題視されることがなかったように思います。www.nikkei.com残念なが…
終末期に鎮静を行っていても患者さんは苦しそうだという話 を聞くことがあります。痛い、つらいのに声が出せない、と いった御自身の経験などから「苦しいのに声をあげられない のでは…」と心配する声も聞きます。基本的には、鎮静を開始するよりは楽になっ…
興味深いタイトルの記事があるな、と思っていたら、大津 秀一先生 のブログでした。news.yahoo.co.jp色々な緩和ケア医がいますが、大津先生は最も勉強家で、何より とてもバランスのとれた先生の一人だと思います。おこがましい ですがとても私に近いお考え…
6月24日の、日経メディカルの記事から。medical.nikkeibp.co.jp緩和ケアに携わる若手医師の69%に燃え尽き、30%に心理的 苦痛、というタイトルです。今回の、第24回日本緩和医療学会 学術大会でも発表された内容でした。緩和ケア医療に携わる 229人にMBI(M…
少し前になりますが、私が問題に感じていたことを西智弘先生が記事 にして下さいました。皆さんの理解とは別に、ホスピスは徐々に 「最期まで過ごす場所」ではなくなって来ています。背景には診療 報酬の変更が大きく関係しています。記事の中でとても詳しく…
新城拓也先生のブログ記事から。drpolan.cocolog-nifty.com新城先生は不器用なほどストイックで真面目に緩和ケア に向き合っている先生、と私は勝手に思っています。お会い したことがないので、あくまでブログの記事などからの想像 ですが。私も同じ道を歩…
樋口直美さんのツイートで、都立松沢病院の身体拘束軽減の 取り組みが特集されていることを知りました。樋口さんも 取り上げておられた、「身体拘束をしない同意書」について なるほどと思いました。同意書自体は事故の免罪符的なもの になってしまう可能性…
エムスリーに、ACP(アドバンスケアプランニング)の普及には 診療報酬化が必要だ、という提案が、全日本病院協会の総会で出た ようですが…正直「またか」という想いで私は大反対です。ACPについて、最近私はこんな記事を書きましたが、 kotaro-kanwa.hatebl…
CBnewsで、『「医師の高齢化」は在宅医療のブレーキに?』という タイトルを見掛けました。有料記事(月4600円!)なので読めません でしたが、2015~2017年は在宅訪問診療料のレセプト数はそれまでの 増加から横ばいに転じているとのこと。それはそうでしょ…
40代の女性が、人工透析を拒否した結果亡くなった、という 話が話題になっています。要点をまとめると、1.透析を止めると2週間くらいで亡くなるという話を聞いたが この時点では強い意思で拒否。同意書にもサインしている。 2.症状が苦しくなり、夫には透析…
当該記事のコメントを見ると「緩和ケアを選ばなくてよかった って言える人生を過ごしてほしい」「緩和ケアは本当に必要 最低限な処置しかしません。治療や心電図をつけたりは一切 しません。家族にとっても本当につらい病棟です」 等とあり、悲しい(個人の…
昨日は、地域の医療・介護職の集まりに参加しました。 毎回活発な情報・意見交換があるのですが、昨日は 医療連携の難しさについて、でした。在宅をやって8年になりますが、医療連携については一貫して ほぼ全員に共通した悩みだと感じています。たまに悩み…
本日の、新城拓也先生のツイートの紹介から。 最近あちこちで見かけるアドバンスケアプラニングの弊害は 本当にひどくて、患者の治療を受ける権利を著しく奪って いると思う。延命治療をする・しないも 医療者の側の業務的な連絡事項になっている。 私も普段…
ここ最近、以前と比べて安楽死の議論がさかんになって来た ように思います。写真家幡野広志さんのブログやTwitterの 影響も少なからずあるのではないかと思います。 緩和ケアには、「鎮静」という治療が以前からありました。 患者さんの苦痛を取り除くために…