Not doing but being

東京都大田区で開業している訪問診療医のブログ。主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

医療における「7つの習慣」

皆さんは、「7つの習慣」を御存知ですか?

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

ビジネス書と思われているようですが、人生をより幸福に、
より成功するためのヒントとしても最高です。
最近はティーンエイジャーや児童向けの「7つの習慣」も
売られているようです。オリジナルを読むのが大変、と
いう方は、ティーンズ版もなかなか面白くお勧めです。

7つの習慣ティーンズ【リニューアル版】

7つの習慣ティーンズ【リニューアル版】

  • 作者: ショーン・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 2014/05/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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オリジナルを私が初めて読んだのは高校生の時でしたが、
最近電子書籍で買い直しました。いつ読んでもその時に
応じたヒントがあると思います。

人生の色々な場面で役に立つ「7つの習慣」ですが、
実は治療を受ける患者さんにとっても、あるいは家族に
とってもかなり大切な指針になるのではないかと思って
います(もちろん医療・介護者側にも当てはまります)。
例えば、

「第一の習慣・主体的である」

「第二の習慣・終わりを思い描くことから始める」

どうですか?最初のふたつの習慣を並べただけでそれらしい
気がしませんか?特に、「主体的である」ことは7つの習慣
おいて最も大切な習慣だとされています(私もそう思います)が
医療、介護においても間違いなくそうです

「聞いても分からないから、お任せします」ではなく、
家族や専門家の助けを借りても、最終的には自分で判断し、
(生き方において)責任を負うという気持ちがあって初めて
本当の意味で自分の人生を生きているのではないかと思います。

第二の「終わりを思い描く」は短期のゴールでも良いですが
やはり人生の終わりを私なら考えたいと思います。「今」の
病気は治っても、最終的に人は最期を迎えます。その時に、
どうありたいのか。人生の設計図を見直すことで今の生き方
に必ずヒントがあるように思うのです
。延命治療について
大事な人と話し合う、等もこれに含まれるかもしれません。

7つの習慣の後半は、人との信頼関係を築くためのヒントです。
一見関係ないと思われるかもしれませんが、実はありありです。
主治医、看護師、ケアマネ、家族(妻、夫、子供達など)、
医療者側からすれば患者さんと家族、チームのメンバー。
関係が良い方が良いに決まっています。
例えば「お前ら金貰ってんだろう、プロだろう」という態度より、
言うことは言うがきちんと感謝は口にする という患者さんの
方が、皆の力を大きく引き出せると私は思っています。
私は医療チームを組む時はもちろん患者さんが中心ですが、
常に全員のwin-winを考えています。これはずっと心掛けています。
それが最終的に患者さんにとって一番プラスになると思うからです。

もちろん、病状によっては本など読む余裕はないでしょうし、
考えることも難しいでしょう。また環境によっては全てを
考える必要はないかもしれません。ただ、より良く生きる
ために役立つ「習慣」がきっとあると私は思っています。