Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

平成30年診療報酬改定における『訪問診療』予測と私の考え

平成30年4月の診療報酬改定に向けて話し合いが行われて
います。この中で訪問診療ではどのような変更がありそう
でしょうか。まず、全体的な見通しですが前回までの、
特に施設(特医総管)の大幅な削減がたたり、在宅支援
診療所の数は緩やかに減少しています
。「病床を減らし、
在宅(地域)へ」という国の方針が変わるとは思えず、
ひとまず今回は訪問診療部門の大幅な変更はないと考えて
います。

一方、施設の「本当は通える」軽症者に対する訪問が問題に
なっています。きちんとしたルールを作り止めさせることは
出来ると思います。ただ、これを完全に止めてしまうと、特に
仕事を持つ家族やギリギリの人数でやっている介護施設に
定期受診や救急外来受診の大きな負担がかかり
混乱すること、
軽症患者の時間外の受診や救急搬送は病院の負担も増える
ことも予想され、完全にやめることは出来ないのではないか

思っています。考えられるのは介護度等に応じ点数を少なく
したり、「外来と訪問診療の中間的な何か」を考えようとする
動きもあるようです。

現在、「訪問専門のクリニック」が許されるようになりましたが、
あまりに基準が厳しく殆どのクリニックは要件がクリア出来ません。
従って多くは「5%以上の患者さんを外来で診る」ことで、「訪問
専門クリニックではない」ことにしている
ものと思います。
正直、今以上に著しく支援診療所は増えるとは思えないので、訪問
専門クリニックを認め効率的に訪問を行わせ、看取りを担当して
頂く方が良いのではないかと思いますが、大人の事情からかそれは
出来ないようです。今の5%が10%くらいになる可能性はありますが
大きな混乱のない範囲でやるのではないかと思っています。

既に聞こえて来るのは、「支援診療所ではない」一般開業医の
看取りへの参加期待です。ただ、多くの開業医は「24時間往診
の体制を整える」ことが出来ない
ので、今支援診療所
ではない開業医はいくら報酬をちらつかせても参入はしないと
思います(殆どの開業医は50歳以上ですし)。遠隔診療の導入
などで負担を軽減することが検討されているようですね。また、
現在の支援診療所クリニックとの連携が評価されるようになる
でしょう。しかし支援診療所クリニックもこれだけ締め付け
られるとあまり体力が残っていないのではないかと思っています。

同じく、特養の看取りに支援診療所を巻き込もうとする動きも
あるようです。今の特養の「配置医」は非常に安い報酬で半ば
ボランティアの感覚でやっていますから、これ以上の働きは
期待出来ません。一方現状では看取りで特養に支援診療所が
入っても殆ど何も算定出来ません
改定で恐らく看取り加算
などが算定出来るようになるでしょう
。しかし、特養はかなり
閉鎖的で特殊・超人手不足であり、外部連携も含めこれ以上のことが
出来るとは思えないのです。また『梯子外し』が目に見えており
私は正直参入したいという気持ちにはなれません。

国は本気で在宅医療を改善させたいなら報酬で誘導して丸投げと
いう従来の方法はもう止めて頂きたい
と思います。金銭よりも
コンサルタントのような役割の人間を雇い、率先して医療機関同士の
連携を組む助けをしたり、開業支援や在宅参入の具体的な不安や悩み
に答えたりと在宅を担う医療機関の立場で長期的に安心して仕事が
出来る環境作りを意識した方が良いのではないでしょうか。訪問診療
クリニックもいい加減認めるべきです。老いた開業医が永遠に24時間
対応など出来るはずがないではないですか。