Not doing but being

東京都大田区で開業している訪問診療医のブログ。主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

新型コロナウイルスの流行のなかで

【追記】
この記事を書いてすぐのタイミングで、大田区の老健の
職員に新型コロナウイルスの患者さんが出ました。
いよいよ、近くま迫って来ました。
ブログ記事の内容が実際に起こりそうです。

都内でも新型コロナウイルス陽性の患者さんの報告が
増えて来ました。そんな中、本日のYahooのニュース
記事で訪問診療が取り上げられていました。

headlines.yahoo.co.jp

記事は北海道のものですが、
現状では、いつ私達の訪問エリアにウイルスが入り込む
は分かりません。地域医療は病院や診療所、訪問看護
ステーション、介護事業所、デイサービスなどかなり
密接な繋がりがあり、患者さん・家族・職員の間で
瞬く間に感染が拡大する恐れがあります

そんな中、ひとたびそれぞれの施設で陽性の職員が
出れば、病院であろうと施設であろうと閉鎖の必要が
出るでしょう。その時には既に御本人・御家族にも
感染してしまっている可能性もありますし、
在宅の特性として次の担当者を探さなければいけない
という状況も発生します

すぐに代わりの医療機関が見つかれば良いですが
周囲の医療機関がすぐに受け入れられるのか、
状況が悪くなれば閉鎖する医療機関が増え、
稼働しているところは受け持ちが増えること
が予想されます
。十分な対応が難しかったり、
代わりが見つかりにくくなるかもしれません。
私ももちろん、自身が感染するなどで閉鎖に
ならない限りは出来る限り地域のお手伝いを、
と考えてはいますが…。

訪問診療ももちろんですが、訪問看護や介護系の
仕事は更に生活に密着しており、濃厚接触も起こり
やすいと言えますので、より大変なのではないかと
思います。特に入所施設では閉鎖した場合に
患者さんは当然そこにいられなくなってしうでしょう。
急に自宅に帰れるかとなると難しい場合も多いと考えられ
ます。一体どうなるのか、想像もつきません。

更にブログ内でも取り上げられていたように、
訪問の仕事をしている我々は防護のためのマスクや
ガウン、グローブも品薄で、アルコールも手に入り
にくいです
。今は患者さんが感染している可能性は
低いと思いますが、近い将来新型コロナウイルスの
患者さんの治療や看取りを訪問診療・訪問介護が
担う必要が出てくると思います。
その時に手作りマスクやゴミ袋ではいつ感染しても
おかしくない状況です

ただでさえ、様々な疾病を抱えたご年配の方が多い
在宅医療です。流行が起これば一溜りもありません。
皆さんにはどうか、在宅医療の存在・現在抱えている
大きな恐怖を知って頂き、不要不急の外出やマスク
の買い占めなどお止め頂くようお願い致します