Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

自費診療は悪か?

皆さんは自費診療のクリニックを受診されたことは
ありますか?我が国は皆保険という制度をとっており、
保険診療によって自己負担額は1~3割となっており、
残りは公費で賄われています。医療はサービス業と
言われることがあります。確かにサービス業的なところ
はありますが、決定的に違うのはこの「公費」を有効
かつ公平に使う努力が医療者に求められていること、
保険医には守るべきルールがあるということです。
また患者さんの希望だからと言って患者さんに不利益な
検査や治療を言われるがままに行うわけにもいきません。

保険が利かない治療があります。多くは、保険が利かない
なりの理由があり、美容などに関するものや、
代替療法などエビデンスのないものもこれに含まれます。
保険が利かないということは基本的に高額になりますので、
「金儲けをしている」と言う人がいます。確かにそういった
クリニックも往々にしてあります。ただ、保険医療機関
保険からの支払いがあります。

例えば、後期高齢者の患者さんが内科のクリニックを
受診し1000円を払ったとします。同じ治療を自費で
10000円でやっているクリニックがあったとします。
クリニックの収入は10000円で変わりがないはずです。
もちろん保険が利く治療をわざわざ自費でやる人はいない
でしょうから、これは譬えですが、自費診療の問題は値段
よりも患者さんに正しい医療、安全な医療かどうかが分かり
にくいことだと思います。

実は私の父は歯科医ですが、長年自費で歯科治療を行って
来ました。もちろん、1回当たりの診療費は割高ですが、
父は歯科では満足のいく治療をするためには自費しかない
と考えており、その分丁寧に、自分の治療に不具合があれば
無料で、休日でも診ていました。当時もそうですが、今は
もっと歯科は保険の範囲では満足な医療が提供出来なくなって
いると思います。

父は非常に時間をかけ丁寧に説明をしていましたし、
「10倍以上価値のある治療を行っている」という職人
のような自負がありました
。保険というと患者さんを守る
ものであるイメージですが、保険を度外視し、高額だけれども
安全・良質で責任を持った治療が出来る、ということも実は
あるのです。私たちは、医療は安いのが当たり前になっています。
しかし他のこと、たとえばトイレの故障でも8000円くらい支払って
いるのです。人間の身体はトイレ以下ですか?
父のように、自費でも親身に丁寧に診療してくれる歯科
があれば私は是非かかりたいと心から思っています。

8月に、大津秀一先生が早期緩和ケアを専門とするクリニック
を恐らく日本で初めてオープンされました。大津先生も、
保険で十分カバーし切れない分野で、ビデオ通話を用いた遠隔
診療を組み合わせ、全国の苦しんでいる患者さんに対応
出来るよう工夫をされています。自費ということを考えても
余りある、価値ある医療を提供されていると私は思います。

※大津先生の想いは、ホームページの費用→『予約料について』
というところに書かれています。

kanwa.tokyo