施設訪問診療の終焉か
昨日、中医協から2018年度の診療報酬改定の個別項目が発表
されました。細かい点数配分はこれからですが、訪問診療は
大きな節目を迎えることになりそうです。個人的にはだいたい
要件を満たしていますので、今回は大きな影響はないと
思っていますが…。
具体的には、月2回の在医総を算定するには以下の要件が。
[対象患者]
以下のいずれかに該当する患者
(1) 要介護○以上の患者
(2) 認知症高齢者の日常生活自立度でランク○以上の患者
(3) 週○回以上の訪問看護を受ける患者
(4) 訪問診療時又は訪問看護時に処置(簡単な処置を除く)を行って
いる者
(5) 特定施設入居者の場合には、医師の指示を受けて、看護師がたん
の吸引、胃ろう・腸ろうの管理等の処置を行っている患者
○はまだ決まっていないことを示しますが、妥当なところで
要介護3以上、自立度ⅡorⅢということになると思います。
また、軽症者の施設訪問・24時間管理は殆どボランティア
のレベルになると思われ、継続は困難になるでしょう。
正直驚きました。私は年末に以下のような記事を書き予測を
立てていましたが、浅はかだったと言わざるを得ません。
訪問診療が始まり12年、確かに軽症者の訪問診療はやり方を
含めかなり問題視されて来ました。しかし昨年まででかなりな
点数の削減があり、既に施設訪問クリニックが潰れないくらい
のぎりぎりな状況にありましたので、更に減額はないだろうと
ふんでいました。と言うのも施設の訪問が終わるということは、
要支援はともかく要介護1~2程度の患者さんは施設から通院を
しなければならず、休日・夜間の体調不良の受診も含め付き添う
家族や施設職員の負担は相当なものになると容易に想像出来る
からです。
ここから予想出来るのは、ひとつは今回から認められるようになる
オンライン診療への誘導で軽症の患者さんをより低い管理料で
健康管理させようということ、あるいは軽症者への24時間対応を
やめ、「訪問外来」のようなものにしようとしているのかも
しれません。
私も過去、勤務医時代には施設の訪問診療を行っていたことが
ありました。確かに頑張れば通院出来そうな患者さんもおられ
ましたが、真剣にやればやはり色々大変でしたし、患者さんの
役に立っている・搬送を減らしている等の役には立っていたと
自負はしています。不要という訳ではないと思います。
診療報酬改定は、医療者の問題だと皆さん思われるかもしれません
が、「悪徳クリニック」は他の稼ぎの良い何処かに逃げるだけで、
今回本当に困るのは施設と患者さん・家族だと思うのです。
詳しく知りたい方は、いまいホームケアクリニックさんの
以下がお勧めです。私も今回はこちらを参考にさせて頂き
ました。