Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

丸山ワクチンについて言いたいこと

最近テレビで丸山ワクチンについての放送があったようで
末期がんの患者さんからワクチンについての質問・問い合わせ
がありました。丸山ワクチンについて聞かれるといつも独特な
気持ちになります。「手伝って」と言われれば期待に沿いたい
と思いますが、「どう思いますか?」と聞かれるとさすがに
「効きます」とは言えません。

ワクチンについて、ホスピス勤務時代の経験を過去のブログで
書いています。ワクチンを受けたい方は具体的な方法も書き
ましたので参考になると思います。

blog.goo.ne.jp

昔務めたホスピスは、「皮下注射なら手伝う」という方針でしたので、
私もワクチンを行っている方を複数担当する機会がありました。
もともと医師でありながら(今でも)何処かに代替治療に対する期待・
興味があり、丸山ワクチンも丸山先生の経歴や効いたという報告を
みるとなんだか期待出来るのではないか、と考えたりもしました。
しかし、残念ながらその考えは毎回裏切られていました。多くの
臨床医が私と同じようにワクチンに携わっているはずなので、効果
があれば報告や発表がバンバンあがってくるはずですが、それも
ありません。

とは言え、丸山ワクチンに害があるかと考えるとそうは思いません。
丸山ワクチンが高価だと勘違いしている人がいますが40日分で
10000円もしません。何百万円もする治療や、「塩がダメ、肉がダメ」
と栄養状態を悪くしてしまうこともなく、時間を決めて一日十回以上
の野菜ジュースを作るような家族の負担もありません。
治療がない方の心の支えになるなら、試して頂いても良いのでは
ないかと思います。こういう支えが必要な人はいるのです。
がん治療医がムキになって否定するから、余計陰謀説が定着する
のではないでしょうか。

一方で抗がん剤は確かに腫瘍縮小、延命効果もエビデンスがあります。
しかし、この「エビデンスあり」もクセモノで、2ヵ月足らずの延命
効果であったりします。もちろん2ヵ月を長いと考える人もいるかも
しれませんが、きちんとした効果の限界も知らず、治ると思って
つらい治療に耐えている人もたくさんみてきました。エビデンスも
正しく伝わり理解されなければ患者さんの幸福に結びついている
とは限らないと思います。抗がん剤はエビデンスがあるから良い、
代替治療はないから悪いではなく、患者さんにとって害なのか、益
なのか、何を希望されているかを明らかにして選択すれば良いと
私は思います。

ただ、個人的には治療法よりも患者さん個人の気持ちや生活の
切り替えの方が、病状はもとより人生においてもプラスが多い
のではないかと思っています。