Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

予め、自分で決めることの重要性

ここのところブログで続けて「医師任せにしてはいけない」
ことについてお話して来ました。診療をしていると、
素人なので分かりません。先生にお任せします」
という方が必ずいらっしゃいます。御高齢になるに従い
比率は増えると思います。
一見、主治医を信頼しいてるように思いますが、本当に
お任せで良いのか
、という疑問もあります。

考えてもみて下さい。進学も就職も、結婚も皆最初は素人
だったではありませんか。全て他人任せだったでしょうか。

もちろん、どの種類の抗がん剤を使うとかどの順番で使うとか、
そういったことを言っている訳ではありません。
また、医療においても急性期の疾患の多くは、それ程大きな
選択肢の違いはないと思いますし、治癒を目指せるもので
あれば医師の経験に頼ることも良いと思います。

しかし、たとえば死生観・生き方に関わること、抗がん剤を
使用するかどうか、継続するかどうか、自分や家族に胃瘻や
その他の延命治療を行うか等をお任せするのはどうかと
思うのです。医師は医学的に正しいと思われる判断をしますが
それがいつも患者さんに優しく、価値観や幸福を考慮したもの
であるとは限りません。

もちろん、お任せでも良いのですが、全てお任せする方に限って
(当然かもしれませんが)思っていた結果と違った、と後で文句
を言っている場合が多いようです

「後悔先に立たず」と言うではないですか。

老いや病は人から考える力を奪います。
考えることが出来ない、決断が出来ない場合はある程度仕方ない
と思います。しかし、それであれば決定を誰に託すのかを伝え、
あるいは元気なうちに生き方を周囲に伝えることは出来ると
思います。これは周りにいる家族のためにも重要なことです。

本人の気持ちが分からない場合家族が勝手に
「頑張ったから、もう休ませてあげよう」
とは言えないことが多いと思います。
医療者は他人なので尚更です。
お任せした結果、
だらだらと続く抗がん剤治療や、胃瘻や延命の意味合いの
強い輸液などが行われるのはある意味必然とも言えます。
これは、本当に受けたい医療ですか?

と、いうことは、やはり元気なうちから情報を集めて、
話しやすい医師を探しておくとか、
治療について考えておくことが必要ではないか、
という結論になります。
抗がん剤の効果と限界、
胃瘻のメリットとデメリット
代替療法ってなんだろう、
自分で判断が出来なくなったら、誰に託したいのか、
最期はどの病院でどの先生にかかりたいのか、
誰に看取られたいのか。

そんなことを考えても、いざ病気になったら健康な時の
考えや知識は役に立たないのではないか、と考える人も
いるようです。しかし、それは病気になった医療者を
みれば分かります

一般的に医療者は医学の恩恵と限界を知っており、
「うまく利用するが無理はしない」傾向にあります。
抗がん剤も納得するものだけ受けて
撤退し余生を有意義に生きようとするようです。
もちろん最後まで闘う選択をする人もいますが、
闇雲に治療を続けるというのとは少し違うと思います。
己と敵を知ったうえでの闘いだからです。
また、かつての同僚や後輩に最期を託すDrも多いようです。

医療面の相談は、訪問看護師、訪問医(かかりつけ医)が
良いと思いますが、どうしても話す相手がいない時などは
医療コーディネーターに相談してみることもひとつでは
ないかと思います。

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