Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

顔の見える連携(関係)

在宅医療はクリニックだけでは成立しません。ケアマネージャー
と訪問看護師、時に介護士やデイサービスとの情報交換も大切に
なります。もちろん、病院とクリニックの連携も重要になります。
ですので、いかに良好な連携を組めるかが重要になり、
しばしば学びのテーマになったりします。

そこでよく耳にする、『顔の見える連携(関係)』という言葉
ですが、ひとつは文字通り、『○○クリニックの△△先生』と
聞いて顔が浮かぶということも含まれると思います。しかし、
実際の『顔の見える連携(関係)』はもう少し深い関係を言って
いるように思います。

『地域緩和ケアにおける「顔の見える関係」とは何か?』
Palliative Care Research 7 巻 (2012) 1 号 p. 323-333

上記は、『顔の見える関係』などのワードでググれば必ず出て
くるほど有名な、聖隷三方原の森田先生達のアンケート調査の
報告です。こちらによると『顔の見える関係』にも三段階あり、
単に顔が浮かぶという程度から、『人となりが分かる』、そして
最終的に『信頼出来る』という言葉で説明出来る関係を含んで
いるのではないかとしています。

私はここに、『無理が言える』という関係を挙げたいと思います。
無理が言えるということは、相手の無理も聞けるということですし、
単に無理を言うだけなら良い関係は築けないので、その分相手を
思いやる気持ちもないといけません。基本的に、相手を信頼して
いないと無理は言えない
と思うのです。

こういった関係は双方にメリットがあるだけでなく、間違いなく
患者さんにもプラスがあるはずです。特に『緩和』『看取り』等
物事がスピーディーに展開する必要があることについては。

しかし、しばしば話題になるということは連携の難しさを感じて
いる人が多いということでもあります。特に介護職の方は医療職
に対して連携の難しさを感じているようです。大切なことは双方
に連携を築く気持ちがあるかで、せっかく勇気を出して電話を
しても「直接電話に出ない」「不機嫌」、FAXを送っても返事が
ない、等では良い関係が築けるはずもありません。

特に医師は「自分が正しい」という感覚が強く、相手を怒鳴ったり
高圧的な態度に出る人が多いと感じます。病院では周囲が無理
して合わせてくれたかもしれませんが、こんなことでは地域で
信頼関係を維持することなど出来ないと思います。

当たり前ですが地域医療においては『自分の信念を押し通す
(もっと言えば、押し付ける)』ことではなく、相手に対する
思いやりと、『会話をする』ことが何よりも重要なのです

そして、『医師と患者さん』という関係があると同時に、ケアマネと
患者さん、看護師と患者さんという繋がりが必ず存在し、必ずしも
それが同じではなく、どれも間違っていない、ということがあるのです。