Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

生き方を記すこと

あなたが認知症やがんの末期になったとしたら、どこで療養し、
どんな治療を受けたいか、どんな治療は受けたくないか。
考えたことはありますか?ぼんやりとはあるかもしれません
が、深く考え、まとめて記す作業をしている方はあまり多くは
ないようです。

認知症となり、寝たきりで誤嚥性肺炎を繰り返すようになり、
関節も拘縮してしまいました。あなたは胃瘻を造って長生き
したいと思いますか?

恐らく少なく見積もって9割くらいの方は受けたくない治療で
あってとしても、それをしなければ死んでしまう場合、家族
にとってその決断はとても難しいものです。家族の対立も
あるかもしれません。延命中止を選択した家族は、その重さ
をずっと背負うような気持になるかもしれません。
家族が決めかねる場合は、可能な限りの延命治療が施される
のが今の日本です。

将来、自分自身の意思決定能力の低下に備え、具体的な治療、
生き方、死に方について予め考えておくことを、アドバンス・
ケア・プラニングと呼びます。

このような話を何度か講演でしたことがありますが、時々
患者さんがエンディングノートのや生き方ノートのような
ものを作ったり購入して、見せて下さる方がいらっしゃいます。
アドバンス・ケア・プラニングを考えておくことは、将来
自分が苦痛を伴う延命を受ける可能性、家族の苦しみをいくらか
軽減出来る可能性を持ちます。

このような意思を書面にしたものは、確かに法的な力はありません。
しかし、余程のことがなければ家族は御本人の気持ちを尊重したい
と思うでしょうし、医療者もいたずらに苦しみを増す治療をしたく
ないと思っていますので、考えに沿った決断をしてもらえるのでは
ないかと思います。

それだけでなく、口座や各種契約、SNS、ペットのこと等を書く
と、後に家族も助かると思います。

こういったノート類は、最初から作成するのは大変で挫折しがち
です。最初は市販のものを購入すると良いです。大事なことが
書いてありますから、慣れてきたら内容を更新する時に少しずつ
御自分の書きやすいに直していけば良いと思います。何冊か
見ましたが、だいたい必要な項目は揃っていると思うので、好み
で決めて良いのではないでしょうか。

受けたい医療を家族に伝える 〜 医療のためのエンディングノート『私の生き方連絡ノート』

受けたい医療を家族に伝える 〜 医療のためのエンディングノート『私の生き方連絡ノート』