Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

認知症~安全よりも大切なもの

2015年に、関西のカジノやパチンコ、マージャンなど
娯楽設備を備えた介護施設について、行政はパチンコ
やカジノを主なリハビリ手段として使用すること、施設内
で流通する疑似通貨の使用を禁止する条例を制定しました。
理由は、高齢者がギャンブル依存症に陥る懸念や、税金が
投入される介護保険施設としてふさわしくないという
疑問の声が上ったため、としています。利用者はとても
楽しみにしていたようで、残念だという意見も書かれて
いました。

私が知る範囲でもカジノや麻雀が置いてあるデイサービスは
まだありますので全面的に禁止された訳ではないようです。
と、思って調べたら、こんなところがありました。

デイサービス・ラスベガス

パチンコはともかく、マージャンやカジノは高度な思考力
を要します。何より、「楽しい」という感覚はとても重要で、
デイサービスが楽しみで仕方ないと思えるなら個人的には
良いと思います。

疑似通貨で本当に依存症になるのかは分かりませんが、
デイや老人ホームの利用者さんの中には過去に依存症の既往
がある人もいると思いますし、ギャンブルというととても嫌な
想いをする御家族もいらっしゃると思います。もちろんこれが
ギャンブルである必要はなく、もっと多くの方が嫌な想いを
しない方法でも工夫は出来るように思います。

例えばリハビリにゲートボールや輪投げのような種目を
取り入れている取り組みもあります。

gagoltherapy.com

その他にもカラオケや、実際にお酒は出なくてもバーのような
空間でノンアルコールのカクテルやビールでも雰囲気は楽しめる
と思います。そういえば桜町病院の聖ヨハネホスピスには
お酒も出るバーがありましたね。洒落たレストラン風の部屋
でも良いと思います。

どうも日本は高齢者に、とりわけ認知症の高齢者に、「危ない
から、身体に悪いから」と容易に何でも取り上げて閉じ込め、
管理しようとする傾向が強いと感じます。確かに危険は減り
ますが、結果的にとても禁欲的な生活を強いられ、高齢者達は
目がうつろになり、「死にたい」「生きていても仕方ない」
と言う方が大勢いらっしゃいます。

ところでオランダには認知症の高齢者が暮らす村があります。
「ホグウェイ」というのですが、皆さんはお聞きになった事
がありますか?

www.huffingtonpost.jp

「転んだら大変」「誤嚥させたら訴えてやる」等と言っている
我が国ではとても考えられないような大胆な発想ですが、認知症
の方が生き生きと生活することを第一に考えれば、このような
考えは当然「あり」だと思うのです。認知症の患者さんの楽しさ
や喜びを重視する風潮がもっと拡がると良いと思います。