Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

終末期のリハビリテーション

最近愛読している、終末期・緩和ケア専門のリハビリを
行う理学療法士・藤田さんのブログの記事です。

kanwakea-fujita.hatenablog.com

毎回興味深いテーマをするどい視点で書いておられる
のですが、読者登録が少なくもっと多くの方に読んで
頂ければ良いのに、といつも思っています。

この日の記事は、終末期のリハビリは
「優先順位が低いのか?」という内容です。

まず、終末期においてリハビリが大切である理由を
過去のブログで触れたことがあります。

blog.goo.ne.jp

患者さんの自立支援・拘縮や褥瘡の予防など、
終末期のリハビリの意義は一般に思われているよりも
大きいのです。

今回のテーマは、「終末期リハは優先順位が低いのか」
ということです。確かに限られた医療者のマンパワー、
医療資源から無限にサービスを提供出来る訳がありません
ので、私達も優先順位を意識しざるを得ません。
すると恐らく、緩和ケア側からすれば「症状の緩和」が
最優先事項となりますし、リハビリ側からすれば成果が
出やすく、社会復帰に繋がる、脳卒中や
骨折等のリハビリが優先、効率が悪く
成果がはっきりしない終末期リハは後回しというのも、
「その逆」よりは仕方ないかな、と考えがちです。

しかし、この「優先順位」、仕方ないこととは言えあくまで
医療者側が考えている優先順位である事は意識すべきです。

実は、ホスピスにおいてリハビリを希望される患者さんは
意外と少ないです(どちらかと言うと御家族が多い気がします)。
体力の低下に伴い気力も落ち、リハビリで「頑張る」よりも
ウトウトしている方が楽なのかもしれません。

しかし、中には痛かろうが辛かろうがリハビリを強く希望
される方がいらっしゃいます。そのような患者さんにとっては
症状の緩和よりもリハビリの方が「優先度が高い」場合があるのです

「緩和ケア」と言うと症状を軽くする、取り除くことばかり
強調されますが、「palliative care」という言葉は「寒さに
ふるえる人に外套を着せる」という意味で、単なる症状の
軽減よりも広い概念で、尊厳や誇りを支えることも含まれて
いると私は考えています。一部の患者さんにとっての
「自分の足で歩きたい」「下の世話だけは受けたくない」
といった大切な願いを医療者の都合で一律にシャットアウト
することは非常に残念なことだと思います