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Not doing but being

在宅緩和ケアの普及を目指して

セデーション率0.05%の病院

看取り

セデーション(鎮静)の話題をもう少し続けさせて頂きます。
セデーションって何でしょう?という方は、昨日の記事で
説明しましたのでご参照下さい。

さて、本題に移ります。
半年程前にMedical Tribuneで、東札幌病院における深く
継続的な鎮静(CDS)の施行率がわずか0.05%であるという
私にとって衝撃的な記事がありました。在宅なら、まだ
分かります。患者さんは不安や孤独感が少なく持続的な
鎮静が必要な方は非常に稀だからです。また、本当に
強い苦痛が消えない方は入院になる可能性が高い、という
強力なバイアスもかかります。

medical-tribune.co.jp

同記事にもあるようにホスピスでのCDSの施行率は最近でも
一般的に15%程度
と言われています。ですからにわかには
信じ難いというのが最初の感想です。残念ながらその理由
について記事の中では詳細が語られていません。ちなみに
私がホスピスに勤務した5年間では、後半は6~8%くらいでした。
これでも、CDSを回避しようと頑張るあまり患者さんに無理を
させてしまったかなぁ、という反省も多々ありました。
0.05%は殆どゼロ、患者さんのあらゆる苦痛はほぼ完全に
コントロールし得る
ということになります。

CDSは昨日も述べた通り、苦痛を著しく減らすと同時に患者さんの
QOLを完全に奪う方法であり、これをいかに回避出来るかが緩和
ケアチームの力が試されるところ
だと思います。ただ、詳しくは
分かりませんが0.05%を実現するためには病棟が一丸となり、
セデーションを回避するために何が出来るかを考え、徹底的に
患者さんの苦痛に寄り添うなど、日々相当な努力をしていること
は間違いありません。また輸液の実施やCSD以外のセデーションの
実施などどの程度行われているのかも興味があります。

全ての緩和ケア従事者にとってCDSを最大限回避する、という
目標を持つべき、というならその通りだと思います。しかし、
CDSは非人道的」「行うべきではない」という考えは賛成
しかねます。それでは、苦痛が緩和出来なかった患者さんは
「我慢をしなければいけない」ことになるからです。CDS
適応でありながら実施されないのであれば、そちらの方がずっと
非人道的です。「CDSを回避すること 」 そのものが目的ではなく
CDSが不要なくらいに完璧に苦痛をコントロールする」こと
こそが大切なのです。

ただ、私が患者であれば、「決してCDSをしないホスピス
よりも、苦痛緩和に最大限の努力を行いつつも、「必要と
考えたら大胆にCDSを実施してくれるホスピス
の方が安心です。
「私はCDSはしない」等の医師の信念や死生観よりも、
私の気持ちを大切にして欲しいと思います。
皆さんはどう考えられるでしょうか?