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Not doing but being

在宅緩和ケアの普及を目指して

はじめに

こんにちは、こたろうと申します。

『not doing but being』。かつて私は同じタイトルの
ブログを書いていた事があります。数年前のもので、
お恥ずかしいことにブログにログイン出来なくなって
しまいました…。ブログ再開に当たり別のタイトルでも
良かったのですが、私の大好きなこの言葉をもう一度
使わせて頂くことにしました。

簡単に自己紹介をします。私はホスピスに興味を持ち
医師の道に進みました。足掛け5年間ホスピスの仕事を
した後、ある切っ掛けで訪問診療に興味を持ち、2013年
7月に開業して在宅での緩和ケアや認知症ケア、看取り
に従事し現在に至ります。このブログでは主に私の仕事
に関するニュースや考えている事を色々と書いていこう
と思っています。

さて、『not doing but being』、訳せば「何かをする
ことではなく寄り添うこと」はご存知の通り現代緩和
ケアの礎を築いた、シシリー・ソンダースの言葉、
緩和ケアの本質を表現した名言です。医師の中には、
「Beingだけで苦痛が軽減するのか」等ととんちんかんな
ことを真顔で言う人がいますが、ソンダースはがん疼痛
緩和においてモルヒネの使い方を確立した医師の一人です。
当然のことながらDoingを否定しているわけがありません
(但し、Beingだけでも苦痛は緩和され得ると私は思っています)。

疼痛・その他の症状緩和の方法が研究されるにつれ、
これまで治療困難であったたくさんの患者さんの苦痛が
軽減出来るようになりました。しかし、身体的な苦痛が
減っても、「自分は死ぬ」「生きていても仕方ない」と
いった患者さんの苦悩は薬だけでは治療することは
出来ません。ソンダースはいわゆる「全人的苦痛」に目を
向け、ともすると疎かになりがちな、寄り添う事の重要性を
多くの医療者に届けたかったのだと思います。

実際、寄り添うとはまず患者さんに関心を持つことです。
また、患者さんと共に時間を過ごすということでもあります。
しかし、これは患者さんの苦痛を目の当たりにすることであり、
コントロールが難しい症状や答えのない問いに対して自分の
無力さに気付くことでもあります。

Doingは慣れれば誰にでも出来ますが、Beingを本当に
実行出来る人、しようとする人は少ない。私も偉そうに言う
つもりはなく、出来ていない医療者の一人です。だからこそ
私はこの言葉をブログのタイトルにして、「寄り添うこと」
の重みにずっと向き合いたいと思っているのです。