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Not doing but being

在宅緩和ケアの普及を目指して

「人は死ぬために生きる」のか

今はなくなってしまいましたが、以前『桜町病院 聖ヨハネホスピス』のホームページにアクセスすると、 「ホスピスはあなたらしく生きる場所です」という メッセージが流れていました。ホスピスはしばしば「死ぬ場所」と考えられていますが 本当は「苦痛を和…

最高の5分を演じる患者さん

百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、 逆に自分のみているものだけが正しいと思い込むと 色々なものを見落とすことになる場合があります。たとえば入院している患者さんの場合、最も近くに いるのは看護師さんです。多くの場合患者さんは 体調の変…

「易怒」に使う薬

患者さんの易怒に薬が効くか、というと結構効きます。 介護者が助かる場面ばかり強調して来ましたが、易怒 の症状を呈する患者さんの多くは強い不安や苛立ちを 抱えていますから、御本人も楽になると思います。 せん妄で興奮している方にも同じアプローチは…

98%が「暴言や暴力受けている」

昨日の記事の中に、介護者である家族(親族・同居人) が要介護者である認知症の方、高齢者を虐待してしまう ケースが年間にどれだけあったかをお書きしました。 読んで下さった方、覚えておられますか?年間、15000件です(平成26年度)www.mhlw.go.jp 相談…

介護殺人

昨日また、介護殺人の記事がYOMIURI ONLINEに出ていました。 sp.yomiuri.co.jp4月2日、朝日新聞の一面で『入院病床 1割減らす計画』 という見出しの記事が掲載されたのは記憶に新しいと思います。 また、横には「在宅医療促す」とあります。また同時に 「介…

サンドスタチンの在宅での使い方

医療者ではない、一般の方には面白くない話が続いてしまい、 申し訳ありません。本日は末期がん患者さんの消化管閉塞で 症状緩和に用いられる「サンドスタチン」を在宅で使用する ためのコツをお話したいと思います。まず、サンドスタチンは皮下注用と書かれ…

サンドスタチンの今(2)

昨日の続きです。昨日は、がん終末期に起こる腸閉塞 に昔から使われてきたサンドスタチンの紹介。 しかし新たなエビデンスは効果に疑問を投げ掛ける 結果となりました…という内容でした。この内容について、『緩和ケア2015年9月号』で特集 されています。文…

サンドスタチンの今(1)

消化管内のがんや、がん性腹膜炎の患者さんで 腸の中の内容物(腸液・便・ガス)が詰まって しまう場合があります。これを腸閉塞と言います。 主な症状は嘔気/嘔吐、腹痛、腹部の膨満感です。 腸閉塞はがん以外でも起こりますが、がんが原因 で起こった腸閉…

アブストラルとイーフェン

本日はがんの疼痛緩和に用いる薬のお話です。 フェンタニルという麻薬のレスキュー(痛みが強い時に 追加で使う)として使用される薬剤になります。どちらも2013年に発売されましたが、それまではフェンタニル のパッチ(デュロテップ、フェントス)を使って…

遠方に住む家族

医療者にとって、最も苦手な存在のひとつが、患者さんの 体調が悪くなった時に初めて現れる、「遠方に住む家族」 ではないでしょうか。普通我々は患者さんの近くで実質 患者さんを支えている中心人物をキーパーソンと呼びます。 体調が悪い患者さんに代わり…

また夜がやって来る

昨日NHKのETV特集で、「こんなはずじゃなかった 在宅医療 ベッドからの問いかけ」という番組がやって いました。70年間在宅医療を行って来た早川 一光医師 が、自ら末期がんとなり訪問診療を受けている。ずっと 「畳の上での養生は天国」と説いて来た早川医…

迫りくる「息子介護」の時代

本日は同名の本の紹介です。 本の帯に「介護なんて俺には他人事」と書いてある、 その横に移った男性の表情がほんとに「他人事」 っぽい感じでちょっと笑えました。 迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から (光文社新書)作者: 平山亮,解説上野千鶴子出版…

看取り士

数年前に「看取り士」柴田久美子さんを知った時は衝撃でした。 看取りを職業にする、という発想自体がまず斬新ですが、24時間 寄り添い、抱きしめて送る…。すごいの一言で、まさに理想の 看取りを実践されているのではないかと思いました。幸せな旅立ちを約…

孤独と痛み

ホスピスで仕事をしている時に出会った患者さんの話です。 60代の女性、肺がんの腰椎転移で両下肢が麻痺してしまった 状態で、その患者さんは入院されて来ました。お気の毒です が、それでも幸いなことは麻痺のために痛みの程度は強く なく、少量の麻薬でき…

ハイスコ舌下

昨日の続きです。※初めにお断りしておきますが、ゴロゴロいったから と言って死前喘鳴とは限りません!他の病態でも、 喉もとでゴロゴロ言うことはあります。原因により、 薬剤の反応も当然違いますし、後述する吸引も全て において推奨されない訳ではないの…

がん末期の呼吸困難治療まとめ

本日のエントリーは医療者向けになります。 2016年に緩和医療学会の「がん患者の呼吸器症状 の緩和に関するガイドライン」が改訂されています ので、大きな変更点を中心に、有名な文献はリンク を貼っておきます。がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイド…

DNRの患者さんではないのですか?

DNRは「do not resuscitate」の略で、主に患者さんの 予後が不良である時、急変が起こっても御本人もしくは 家族の同意で心肺蘇生を行わない事を指します。例えば がんの末期の患者さんが心肺停止となった時、救命処置 で再び心拍が再開しても、遠くない将来…

余命告知が患者さんに与える影響

本日は「余命告知」について。今日のお話は、2015年11月 に『Journal of Clinical Oncology』という雑誌に載った 以下の論文に沿ってお話をさせて頂きます。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4737862/この文献は非常に有難いことに右上のPDFを…

在宅でのセデーション事情

今日は訪問診療におけるセデーション(鎮静)について私の 経験から話をさせて頂こうと思います。まず、セデーション を御存知ない方のために説明させて頂くと、患者さんの苦痛緩和を目的として意識を低下させる薬剤を 投与すること。または苦痛緩和のために…

お一人様の在宅死(2)

昨日の続きです。具体的に在宅死にはどのような考えが必要か まとめてみたいと思います。1.出来る限りの準備をすること まず、我が国で「良い死」が偶然やって来ることはとても 少ないとお考え下さい。出来れば元気で余裕がある時に、 最低限以下を読み、特…