Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

介護

同居孤独死

Yahooニュースにこんな記事がありました。headlines.yahoo.co.jp家族と同居をしているのに孤立状態で異常死を遂げる ケースがあると記事は述べています。別の記事によると、 このような「同居孤独死」は都内で年間2000件ある そうです。ちなみに一人暮らしの…

『母親に、死んで欲しい』

将来介護をする、受ける人になる可能性は、とても高いと 思います。特に家族に介護する/される人にとって、是非 一度は読み、考えて頂きたい本だと思います。「母親に、死んで欲しい」: 介護殺人・当事者たちの告白作者: NHKスペシャル取材班出版社/メーカー…

「一番苦しいのは本人」ですか?

がんの末期に限ったことではありませんが、介護している家族 に向かって「あなたも大変だと思うけれど、御本人の方が辛いの ですよ」等と声がかかることがあります。これは間違っていると 思います。もちろん、痛みや呼吸苦、嘔気などの身体的な苦痛を 感じ…

『1000の夜を駆ける: ーわたしは統合失調症』

本日は本の紹介です。統合失調症を発症された著者 『しらたま』さんが、これまでの経験や想いを綴った漫画です。 これは2012年に描かれた作品ですが、AmazonのKindle Unlimitedに 登場したのを発見し読ませて頂きました。1000の夜を駆ける: ーわたしは統…

介護職員への暴力を黙認すべきではない

高齢者や認知症の患者さんは、心身ともに衰えた「弱者」 であり、その人権が侵され易いため、これを守ることが 大切であるとしばしば指摘されます。これはその通りです。しかし同時に介護・支援する側の家族や介護職員・看護師の 人権を尊重すべきだ、という…

『痛い在宅医』

2017年12月に出た、長尾和宏先生の著書。 在宅療養を、特に看取りを考えている御家族に必須の本 ではないかと思います。痛い在宅医作者: 長尾和宏出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2017/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見…

「身体拘束ゼロ」が生む悲劇

一昨日、Twitterで想いのほどを散々呟かせて頂いたのですが…。 私はもともと、「身体拘束を出来る限り減らす」は大賛成ですが 「ゼロ」という考えにはかなり抵抗があります。 そういった考えは過去にも、kotaro-kanwa.hateblo.jpまた、kotaro-kanwa.hateblo.…

『身体拘束』を本当に減らすために必要なこと

2018年1月11日放送のクローズアップ現代で、『身体拘束』の特集 がありました。見逃してしまった方は、サイトで内容を閲覧する ことが出来ます。www.nhk.or.jp拘束の存在もあまり知らない一般の方々への問題提起という 意味では大変意義のある内容でしたが、…

平穏死ー患者は本当に苦しんでいないのか

長尾和宏先生のブログにこんな記事がありました。blog.drnagao.com長尾先生は在宅医療の一線で活躍されている先生です。 たくさんの本を書かれ、あちこちで講演を行うなど 在宅医療普及に向けた活動も精力的に行っておられます。 胃瘻の本などはとても良く書…

『ニルスの国の認知症ケア』

ニルスの国の認知症ケア―医療から暮らしに転換したスウェーデン作者: 藤原瑠美出版社/メーカー: ドメス出版発売日: 2013/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るはじめにお断りしておきますが、2013年出版の本です。 内容に感銘を受けたので紹介させ…

延命治療を強いるのは50代息子が多い

diamond.jp看取りの場で、「救急車を呼べ!生き返らせろ!」と叫ぶ息子。 そんな場面からこの記事は始まります。80代、末期がんの親。 望まない経鼻栄養を強いただけでもどうかと思うところです。 傾向としては、お嫁さん任せで、なかなか介護にコミット し…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(2)

前回の更新からだいぶ時間が空いてしまいました。 今日は前回に引き続き、高齢者の誤嚥の問題を考えたいと 思います。さて、まず医療者、介護者にはだいたい常識的にお分かり だと思いますが、『要介護者』に当たる高齢の方々は、 どんな原因で亡くなってい…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(1)

7月に埼玉県の特養に入所中の86歳の女性が食事中に誤嚥し亡くなり、 「母親が亡くなったのは施設の介護ミスが原因」として40代、50代 の息子さん二人が提訴したという記事が出ていました。www.bengo4.comこの記事によると非常に短い時間で食事を詰め込んだ事…

末期がん患者さんの吐下血

報告によりまちまちではありますが、末期がんの患者さんの 1~5%に顕著な吐下血が起こると言われています。特に吐血 は御本人にとっても死を強く連想する恐ろしい出来事だと 思います。この場合医療者は、家族はどのような対処をすべき でしょうか。まず、…

認知症~安全よりも大切なもの

2015年に、関西のカジノやパチンコ、マージャンなど 娯楽設備を備えた介護施設について、行政はパチンコ やカジノを主なリハビリ手段として使用すること、施設内 で流通する疑似通貨の使用を禁止する条例を制定しました。 理由は、高齢者がギャンブル依存症…

認知症患者さんと三八式歩兵銃

数日前、Twitterでこんな写真入りのツイートを見ました。介護施設で、認知症の患者さんに旧日本軍が使用していた 三八式歩兵銃のモデルガンを渡したところ、今まで座って ばかりだった人が立ち上がって歩き出した、という記事 でした。昔の戦争の記憶が脳を…

認知症~家族介護の難しさ

私は今グループホームや老人ホームへの訪問診療は 行っておらず、訪問しているのは全て患者さんの自宅 です。独居の方も多いですが、大半は御家族が同居し 介護されています。つくづく思うのは家族介護は家族ならではの難しさを 持っており、しばしば非常に…

BPSDに対する抗精神病薬の使用と中止(3)

今回は、BPSDに使用した抗精神病薬の減量と中止について の話をしたいと思います。こちらのメタアナリシスを参考 にさせて頂きます。www.ncbi.nlm.nih.gov上記はシステマティックレビューを含む9つの研究を分析 しています。どれもRCTであり、プラセボとの比…

BPSDに対する抗精神病薬の使用と中止(2)

本日は抗精神病薬の中止に関する話題にする予定でしたが、 その前に薬の効果判定についてもお話したいと思います。 治療の目的を考えると介護者の主観で「効いた」とか 「効かなかった」でも良いと思うのですが、ある薬剤が 患者さんの症状のどの部分に効い…

BPSDに対する抗精神病薬の使用と中止(1)

認知症患者さんの暴言・暴力・介護抵抗・徘徊等周辺症状 と言いますが、周辺症状をBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの頭文字をとってBPSDと呼びます。 介護する側にとってしばしば大きな悩みをもたらし、 介護の継続が困難となる主たる原…

胃瘻を作らないことは「弱者の切り捨て」か

昨日Twitterでこんな記事を見掛けました。headlines.yahoo.co.jp京都市で、市民が自分の終末期に備え、胃瘻や 人工呼吸器等の治療に対して、また療養の場所 などを予め書いておく事の出来る「事前指示書」 が配布され、物議を醸しているというニュース です…

最高の5分を演じる患者さん

百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、 逆に自分のみているものだけが正しいと思い込むと 色々なものを見落とすことになる場合があります。たとえば入院している患者さんの場合、最も近くに いるのは看護師さんです。多くの場合患者さんは 体調の変…

「易怒」に使う薬

患者さんの易怒に薬が効くか、というと結構効きます。 介護者が助かる場面ばかり強調して来ましたが、易怒 の症状を呈する患者さんの多くは強い不安や苛立ちを 抱えていますから、御本人も楽になると思います。 せん妄で興奮している方にも同じアプローチは…

コウノメソッド

昨日は認知症患者さんの多くに「易怒」があり、この症状 が介護負担を増す大きな原因のひとつではないか、と述べ ました。根底には患者さんの不安・苛立ちがあり介護の 工夫で軽減出来る可能性があるというお話をさせて頂き ました。しかし、誰も患者さんを…

認知症患者さんの易怒について

昨日は認知症の患者さんの暴言・暴力の話をしました。 認知症の患者さんと関わったことがある方であれば、 「怒りっぽい方が多いなぁ」と感じられた事がある かもしれません。約半数の認知症の患者さんにこの易怒 がみられると言いますが、私はこの「易怒」…

98%が「暴言や暴力受けている」

昨日の記事の中に、介護者である家族(親族・同居人) が要介護者である認知症の方、高齢者を虐待してしまう ケースが年間にどれだけあったかをお書きしました。 読んで下さった方、覚えておられますか?年間、15000件です(平成26年度)www.mhlw.go.jp 相談…

介護殺人

昨日また、介護殺人の記事がYOMIURI ONLINEに出ていました。 sp.yomiuri.co.jp4月2日、朝日新聞の一面で『入院病床 1割減らす計画』 という見出しの記事が掲載されたのは記憶に新しいと思います。 また、横には「在宅医療促す」とあります。また同時に 「介…

迫りくる「息子介護」の時代

本日は同名の本の紹介です。 本の帯に「介護なんて俺には他人事」と書いてある、 その横に移った男性の表情がほんとに「他人事」 っぽい感じでちょっと笑えました。 迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から (光文社新書)作者: 平山亮,解説上野千鶴子出版…

内科医から見たユマニチュード

ユマニチュードはフランスのイブ・ジネストさん達に よって考案・研究され、東京医療センターの本田医師ら によって日本に紹介された、特に高齢者・認知症患者さん に対して行う医療・介護者向けのメソッド(哲学・スキル) のこと。百聞は一見にしかず。ユ…