Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

ホスピス

悔しい想い

今日のyomiDr.にこんな記事がありました。yomidr.yomiuri.co.jp 義父は 膵臓すいぞう がんと診断された。開腹手術― 抗がん剤治療―入院。徐々に悪化し、翌年5月、家族は 医師に呼ばれて「これ以上治療できない。緩和ケア病院 に移ってほしい」と告げられた。…

がん治療中止における家族間の葛藤

今日はこの記事について考えてみました。kenko100.jpまず、本文の主旨とは違いますが、「緩和ケアを受ける」 という言葉が、(がん治療を中止し、)緩和ケア病棟に 入院する、という意味合いで使われています。 このブログでも何度もお話している通り緩和ケ…

がんと闘う

『闘病』という言葉があります。 がんの場合狭義には手術・放射線療法・化学療法 (いわゆる三大治療)などがんの治癒や延命効果を 期待した積極的な治療を受けることを指す場合もあり ますが、もっと広い概念で『病と対峙し生きる』 ことを指すこともあるか…

末期がん患者さんの吐下血

報告によりまちまちではありますが、末期がんの患者さんの 1~5%に顕著な吐下血が起こると言われています。特に吐血 は御本人にとっても死を強く連想する恐ろしい出来事だと 思います。この場合医療者は、家族はどのような対処をすべき でしょうか。まず、…

目的と手段を入れ替えてはいけない

Twitterで見た、ある薬剤師さんのツイートを御紹介します。 在宅医療の主語は誰か? 他ならぬ患者さんである医療従事者が訪問するから在宅医療なのではなく、 患者さんが自宅で暮らしながら受ける医療が在宅医療なんだと思うだからこそ、訪問は手段なんだと…

「身の置き所のなさ」

がんの終末期に、表現のしようもない辛さを経験する 患者さんがいらっしゃいます。このような場合、表題の 「身の置き所がない」と表現される場合があり、 また逆にこちらから「身の置き所がない感じですか?」 と問い、肯定される場合もあります。しかし、…

がん医療の狭間

東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターの大津秀一 先生のブログから。ameblo.jp抗がん剤治療の継続が困難になると、これまでの担当医の 外来に通院出来なくなる事がしばしばあります。がんの 治療医は多くの治療中の患者さんを担当しており、その後 …

『100点中10点』に思う

6月24日のm3(エムスリー)に、めぐみ在宅クリニック院長、 小澤竹俊先生のインタビューが載っていました。ホスピスを 経験し、現在は訪問診療医として多くの患者さんと関わり、 たくさんの方を看取って来られた先生です。診療体制に ついてのお話のあと、こ…

がん終末期の症状について

がんも種類によって経過が違いますが、多くの患者さんで 当てはまることは、最後の2~3か月からの病状の変化は とても速いということです。分かりやすい変化としては、・食事が極端に少なくなる。 ・移動が大変になる。 ・眠る時間が増える。等の症状の変化…

タペンタが使いにくい理由

平成26年8月18日に発売されたタペンタドール、商品名 「タペンタ」ですが、オピオイドのμ受容体を刺激する 作用と、ノルアドレナリン再取り込み阻害を合わせ持つ 薬剤です。オピオイド作用+SNRIと言えば分かりやすい かもしれません。オピオイド作用+下降…

医療者目線の「死の受容」

昨日は、近年ギア・チェンジという言葉が使われなくなった という話と、しかし実際は殆どの患者さんがギア・チェンジ を経験しているという事実があるというお話をさせて頂き ました。本日はギア・チェンジに関する話題で、 緩和ケア医として有名な有賀先生…

がん治療の「ギア・チェンジ」は過去の言葉か

我が国に「Palliative Care」の概念が入って来た時に、 「ホスピス」という「建物」や、ホスピスに 入院する時期である「終末期」という点が強調され 過ぎてしまいました。そこで、「Palliative Care」 は何もホスピスという場に限ったことではない、 また終…

終末期のリハビリテーション

最近愛読している、終末期・緩和ケア専門のリハビリを 行う理学療法士・藤田さんのブログの記事です。kanwakea-fujita.hatenablog.com毎回興味深いテーマをするどい視点で書いておられる のですが、読者登録が少なくもっと多くの方に読んで 頂ければ良いのに…

「臨床宗教師」

我が国では、医療と宗教は相容れない存在である かのように扱われています。 山崎章郎さんが東北大学医学部で講義されたことが あって、それを聞きに行った時のことだ。宗教性の 重要性を話し始めた途端、学生たちはうすら笑いを 浮かべていた。なんとも異様…

川崎市立井田病院の取り組み

昨日もお書きした通り、がんの治療中の患者さんも 痛みや嘔気、四肢の痺れや不安、不眠等様々な症状 に悩まされている方がおられます。しかし治療中の 患者さんの多くは満足な症状緩和治療を受けていません。 一方緩和ケア外来は、「緩和ケア病棟」に登録す…

「早期からの緩和ケア」は実践出来るのか?

がんの終末期の患者さんの苦痛を軽減する目的で行われて 来た「ターミナルケア」は、より早期の患者さんに対して も必要なケアであるという理解が深まり、「緩和ケア」と 呼び名が変わりました。しかし多くの患者さんは、いえ、 医療者ですら「緩和ケア」=…

「人は死ぬために生きる」のか

今はなくなってしまいましたが、以前『桜町病院 聖ヨハネホスピス』のホームページにアクセスすると、 「ホスピスはあなたらしく生きる場所です」という メッセージが流れていました。ホスピスはしばしば「死ぬ場所」と考えられていますが 本当は「苦痛を和…

孤独と痛み

ホスピスで仕事をしている時に出会った患者さんの話です。 60代の女性、肺がんの腰椎転移で両下肢が麻痺してしまった 状態で、その患者さんは入院されて来ました。お気の毒です が、それでも幸いなことは麻痺のために痛みの程度は強く なく、少量の麻薬でき…

ホスピスの実情

本日はホスピスについて、知られているようで知られていない、 しかし多くの方に知って頂きたい内容をまとめてみます。 殆どの医療者にとっては常識の話題になります、御了承下さい。www.hospat.org まず、教科書的な説明は、例えば↑この辺りをご覧になると …