Not doing but being

東京都大田区で開業している訪問診療医のブログ。主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

『「親の死に目に会う」のは親のため?自分のため?』

お早うございます。ブログを更新しました。親の死に立ち会うということについて。『「親の死に目に会う」のは親のため?自分のため?』https://ribbon-clinic.com/meet_death/

『介護あるある?医者の前では、いつも元気な患者さん』

こちらのブログで書いた過去の記事のリライトになります。 普段と違う姿を見せてしまう患者さんについての考察です。ribbon-clinic.com

プラセボとノセボ。偽薬は誰のための「優しい嘘」?

クリニックのブログを更新しました。とある介護の仕事をされている方が、睡眠薬だと言い利用者さんに「偽薬」を手渡すことをためらう気持ちをツイートされていました。しばしば「優しい嘘」と表現される偽薬とどう向き合うのが良いのか。個人的な考えを書か…

お金を払えば名医になれる?「信頼できる医師」の評判の秘密

クリニックのブログを更新しました。名医、頼れるドクターなどの多くは、実は広告ですというお話。よろしければ、ご覧下さい。ribbon-clinic.com

ブログ移転のお知らせ

今後は、私のクリニックのブログに統合させて頂こうと思います。 WordPressで作りましたが、結構楽しかったです😊もっと分かりやすいブログを目指しますので今後とも よろしくお願い致します。ribbon-clinic.com

看取りにルーチンに酸素が必要なのか

久し振りの更新です。昨年Noteを始めたため、 ブログの更新を中止しようと思ったのですが 内容によってはこちらの方が読んでもらいやすい かなと思い、こちらで更新することにしました。表題の件ですが、最近ある看取りを積極的に行う 施設で患者さんを担当…

2020~2021年で最も読まれた記事3つ

お早うございます。過去の記事で、 多く読んで頂いたものを ピックアップして紹介する シリーズも最終回です。今回は2020年~2021年、 記事が少ないので まとめてご紹介します。私がいくまでもたせて下さい kotaro-kanwa.hateblo.jp 「死に目に会う」と言い…

2019年、最もよく読まれた記事3つ

ブログを振り返り、 たくさん読んで頂いた記事を まとめています。 今回は2019年の3つ。だいぶ記事が少なくて 全部で30くらいしかありません…。 2週間に一度くらいの 更新だったということですね。「患者の自己決定」の難しさ kotaro-kanwa.hateblo.jp患者さ…

2018年最も読まれた記事3つ

こんにちは。今日は昨日に引き続き、このブログで最も 多くの方に読んで頂いたものをピックアップ してご紹介します。本日は2018年版になります。 記事の出来はともかく 多くの方に知って頂きたい、 考えて頂きたい内容です。在宅看取りと事故物件 kotaro-ka…

2017年最も読まれた記事4つ

こんばんは。 いつもブログをご覧頂き、 有難うございます。実は、ブログの引っ越しを 考えておりまして、 約4年続けたこのブログ、 一旦終了にしようと 思っています。その前に、記事が埋もれて しまうのもなんかさみしく、 最も読まれた記事、 反響を頂い…

治療の選択における医師の影響力

先日Twitterで胃瘻に関する話題を 書きました。患者さんも奥さんも 延命はしないと言っていましたが いざ入院し食事が出来なく なった時、ご家族に迷いが生じ、 結局胃瘻をすることになりました。胃瘻について本来はもっと詳しく 話しておきべきでしたが 「…

『いのちの停車場』

5月から上映が始まった、『いのちの停車場』。 訪問診療を題材にした映画です。 残念ながら都内では「緊急事態宣言」延長の ため観ることが出来ません。 俳優陣がとても豪華で良さそうなのですが 他県に行く時間もなく、私は小説を読むこと にしました。いの…

患者さんの「死にたい」という言葉

今日は、こまち先生のブログを読んで考えたことを書きます。ameblo.jpまずブログがとても良いので是非お読みください。私は訪問診療を行っていますので、がんの終末期の患者さん や、介護を受けている高齢者の患者さんと出会い、話をする ことが多いのですが…

85歳、フルコース

患者さんの状態が急変し、心肺停止あるいはそれに近い 状態(バイタルサインが悪化していく状況)にある時、 昇圧剤を使用したり心肺蘇生を含めあらゆる医療行為を 行い回復を目指す時、医療者はよく「フルコース」と いう言い方をします。これに対して蘇生…

『早川一光の「こんなはずじゃなかった」』

往診医の大先輩である早川一光先生は、多発性骨髄腫の ため2018年6月にご自宅で亡くなりましたが、この本は 同タイトルで京都新聞に連載していた早川先生の連載を 娘さんがまとめ、介護の様子を加筆して出版された本になります。早川一光の「こんなはずじゃ…

「緩和ケア」の名称をもう一度考える

Twitterで話題になったので、もう一度「緩和ケア」という 言葉について思っていることをまとめてみたいと思います。何度もお話している通り、本来「緩和ケア」には「終末期」 という意味は全くありません。患者さんの困りごとを助ける、 様々な医療やケアの…

代替医療を否定するだけの医師は「毒親」になっていないか

代替医療について、これまでもブログで書いて来ました。kotaro-kanwa.hateblo.jpkotaro-kanwa.hateblo.jpパターナリズムという言葉があります。 Wikipediaによれば、 強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、 本人の意志は問わずに介入…

「何処で亡くなるか」より大事なこと

最終的に自宅で亡くなった患者さんの家族から、 「最後まで家にいさせてあげられて良かったです」 という言葉を頂くことが多いです。 「そうですね」と答えると同時に、在宅医として お役に立てたと嬉しく思う瞬間でもあります。しかし、自宅でなく病院で亡…

『男の孤独死』

本日は、長尾和宏先生の著書の紹介です。 お断りしておくと新刊ではありません。2017年のちょうど 今頃に出版されたものです。買っておいてすっかり読む のを忘れておりました。 男の孤独死作者:長尾 和宏発売日: 2017/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー…

日本は異様に身体拘束が多い?

先日、石川県の男性が身体拘束中に肺塞栓を起こし、その後 死亡した件の判決が名古屋高裁でありました。 この件について私は詳しく知りませんのでコメントが難しい のですが、亡くなった患者さんは拘束に至る前に看護師への 暴力行為があり、「人を割けば」…

『がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方』

この秋に出版された、緩和ケア医 関本 剛先生の著書です。 タイトル通り、肺がん脳転移、治癒は見込めず、 生存期間の中央値は2年と。 少し前に購入してしましたが、同じ世代の緩和ケア医、 開業医であり訪問診療も行っている先生ということもあり なかなか…

BSC(ベストサポーティブケア)という言葉

病院の先生からの情報提供書に、「BSCの方針となりました」、 「BSCを選択されました」等という言葉が書かれていることが いつしか増えて来たように思います。BSCはBest Supportive Careの略ですが、抗がん剤や手術などの有効な治療がなく、 「今後患者さん…

安心して死にたいと言える場所

だから、もう眠らせてほしい 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語作者:智弘, 西発売日: 2020/07/14メディア: 単行本『だから、もう眠らせてほしい』 以前私が紹介した西 智弘先生のこの本。 安楽死について緩和ケア医としての考えや葛藤をまとめた 素晴ら…

『死亡直前と看取りのエビデンス』

今日は久し振りの本の紹介です。全く新刊ではないです。 過去にTwitterでも紹介したように記憶しています。 既に読まれたという方も多いかもしれませんが、まだ の方は是非お勧めしたい本になります。死亡直前と看取りのエビデンス作者:森田 達也発売日: 201…

何が「本人の意思」なのか

終末期の患者さんに、「どのような治療を受けたいか」、 あるいは「受けたくないか」を決めて頂くことは、しば しば難しくなります。意識がはっきりしていない事も 多くありますし、記憶や判断力が落ちた状態での「意思」 を、御本人の本当の意思として捉え…

記憶より感情を

認知症の患者さんのご家族が患者さん本人に対して、 出来事や約束をどうにか思い出してもらおうと画策する ことがあります。これは当然の心理ですが、相手が認知症 の患者さんである以上、この試みはうまくいきません。 よく見掛けるのは、約束事を書いて壁…

『安楽死に至るまで』

この本は、今私がTwitterでフォローさせて頂いている、 くらんけさんが書かれた本です。 くらんけさんは、スイスで安楽死(正確には介助自殺) の権利を得ている方で、この本は「スイスで安楽死の 権利を得るための手順」が書かれています。 安楽死反対の方…

私が行くまでもたせて下さい

9月6日にTwitterで私がこのような書き込みをしたところ、 人生の終末期に「心肺蘇生」をして意識が戻った人を 何人かみましたが、肋骨がボキボキになっている痛みは 相当なもののようです。全身状態が非常に悪いので、 食べたり普通に話したり笑ったりはとて…

緩和ケアは安楽死を望む人を救えるのか

47NEWSの『安楽死を問う』の4回目は、西智弘先生でした。www.47news.jp西先生は、2020年7月に、『だから、もう眠らせてほしい』と いう、安楽死と緩和ケアについての本を出版されました。 私も8月9日のブログでこの西先生の本について感想を書かせて 頂きま…

偽りの希望は是か非か

昔、自分が書いたブログを読んでいて、代替療法に ついて書かれた記事を見つけました。blog.livedoor.jp 大部分の患者様は病気を受け入れ、自分が長くない事を ご存知ですし、食品で癌が治らない事も理解されています。 しかし、同時に現実的ではないにせよ…