Not doing but being

主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

『食べてうつぬけ』

前回お話したように、特に閉経前の女性のうつ、パニック、 また成人のADHDと診断されるような方には栄養療法は かなり効果的な治療のひとつです。本日ご紹介する本は このこころに効く栄養学のエッセンスが詰まった本に なります。漫画やイラストが多いのは…

分子栄養学はオカルトか

以前もお書きしたように、自分自身に糖質制限を試し効果が あったので関連書籍やネットでの情報収集をするようになる と、あちこちで『分子栄養学』に出会うようになりました。 分子栄養学は『分子生物学』を土台とした栄養学で、その 土台の部分で糖質制限…

痛み治療の先にあるもの

永寿総合病院で病棟・在宅の緩和ケア治療で活躍されている 廣橋猛先生の書かれた記事を御紹介します。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/hirohashi/201711/553443.html (前略) 切除不能な胃癌を患い、現在は化学療法中です。食べると胃が…

平穏死ー患者は本当に苦しんでいないのか

長尾和宏先生のブログにこんな記事がありました。blog.drnagao.com長尾先生は在宅医療の一線で活躍されている先生です。 たくさんの本を書かれ、あちこちで講演を行うなど 在宅医療普及に向けた活動も精力的に行っておられます。 胃瘻の本などはとても良く書…

『私の脳で起こったこと』

私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活作者: 樋口 直美出版社/メーカー: ブックマン社発売日: 2015/07/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る本の存在は知っており、以前から読みたいと思いながら 読んでいなか…

糖尿なのに脂質(あぶら)が主因!

糖尿なのに脂質(あぶら)が主因!―糖尿病とその合併症予防の脂質栄養ガイドライン作者: 奥山治美出版社/メーカー: クオリティケア発売日: 2017/08/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る2017年8月に、“あの”日本脂質栄養学会から出た本です。 主な内容…

認知症独居の高齢者を支える

昨日地域の介護事業所の勉強会にお誘い頂き参加しました。 あるケースカンファレンスを行いましたが、そこで考えた ことを今日は書かせて頂こうと思います。 90代独居の男性。簡単な会話は出来るが短期記憶障害は 著しい。糖尿病と心不全あり。奥様との想い…

韓国で「尊厳死」の選択が可能に

10月23日より、韓国の一部の医療機関で「尊厳死」を選ぶことが 出来るようになりました。試験期間を経て、来年2月から本格的 に法が施行されるとのことです。私は尊厳死法は賛成です。過剰な治療により苦しみ続ける患者さん、 そして介護者(家族)を本当に…

『ニルスの国の認知症ケア』

ニルスの国の認知症ケア―医療から暮らしに転換したスウェーデン作者: 藤原瑠美出版社/メーカー: ドメス出版発売日: 2013/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るはじめにお断りしておきますが、2013年出版の本です。 内容に感銘を受けたので紹介させ…

『がんと命の道しるべ』

がんと命の道しるべ 余命宣告の向こう側作者: 新城拓也出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2017/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る素晴らしい本です。多くの患者さんとその御家族、そして さまざまな場所で緩和ケアに従事しているスタッフ、…

『カロリー制限の大罪』

まず、私自身の糖質制限の報告です。2017年5月より、正確に お書きするとまずカロリー制限で開始し、7月よりロカボ (以下参照)に切り替え、ここ1~2ヵ月はだいたい9kg減 で落ち着いています。だいたいとお書きしたのは、測定する タイミングで随分体重が異…

痛みを我慢する患者

がん性疼痛で、強い痛みがあるにも関わらず痛みを我慢する 患者さんが一定の割合でいます。中には未だにモルヒネを 使うとクセになる、頭がおかしくなる等正しいとは言えない 知識のために使用しない方もいますが、多くはそうではない ように思います。一つ…

スピリチュアルケア-私達に出来ること

スピリチュアルケアを考えるには、まずそのケアの対象である スピリチュアルペインの存在を理解する必要があります。このような図を良く見ると思います。患者さんの苦痛は身体的 なものにとどまらず、様々な種類があります。その中でWHOは わざわざ「精神的…

希望

川崎市立井田病院の、西先生のブログの記事から。tonishi0610.blogspot.jp西先生は緩和ケアを専門にされているという理由もありますが、 とても私と考えが近く、「本当にそうだよなぁ」と思うことが 多くあります。大学の同期が以前西先生と同じ病院に勤めて…

問題は「モルヒネ」ではなく「誤投与」

色々な意味で残念な報道がありました。www.jiji.comまずは患者さんにはとてもお気の毒な事故でした。いくつか記事を読みましたが、やはり内容が中途半端なものが多く、 Twitter等の皆さんの反応を見ても、どのような状況で起こった 事故なのか分からず、緩和…

医療用麻薬の依存について

緩和ケア医、大津秀一先生のブログに、アメリカにおける 医療用麻薬乱用についての記事が出ていました。ameblo.jp大津先生がおっしゃるように、アメリカは医療用麻薬使用 の事情が違い過ぎるので鵜呑みにしない方が良いのはその 通りだと思います。医療用麻…

延命治療を強いるのは50代息子が多い

diamond.jp看取りの場で、「救急車を呼べ!生き返らせろ!」と叫ぶ息子。 そんな場面からこの記事は始まります。80代、末期がんの親。 望まない経鼻栄養を強いただけでもどうかと思うところです。 傾向としては、お嫁さん任せで、なかなか介護にコミット し…

生き方を記すこと

あなたが認知症やがんの末期になったとしたら、どこで療養し、 どんな治療を受けたいか、どんな治療は受けたくないか。 考えたことはありますか?ぼんやりとはあるかもしれません が、深く考え、まとめて記す作業をしている方はあまり多くは ないようです。…

悔しい想い

今日のyomiDr.にこんな記事がありました。yomidr.yomiuri.co.jp 義父は 膵臓すいぞう がんと診断された。開腹手術― 抗がん剤治療―入院。徐々に悪化し、翌年5月、家族は 医師に呼ばれて「これ以上治療できない。緩和ケア病院 に移ってほしい」と告げられた。…

がん治療中止における家族間の葛藤

今日はこの記事について考えてみました。kenko100.jpまず、本文の主旨とは違いますが、「緩和ケアを受ける」 という言葉が、(がん治療を中止し、)緩和ケア病棟に 入院する、という意味合いで使われています。 このブログでも何度もお話している通り緩和ケ…

糖質制限で糖尿病が増加?

私自身、5月6日から糖質制限を行っています。緩めに行って いますが本日で最低体重を更新し、8.9kg、体重が減少して います。過去のダイエットと比べ、楽で効果が高く、体調 が悪くなったり体力が落ちたりしないので自分には合って いると思っています。 さ…

「自宅で最期」が意味するもの

昨日に引き続き、新城先生のブログからお話をさせて頂きます。drpolan.cocolog-nifty.com また、自宅で過ごして私のような在宅医が治療やケアを行って いても、本当に家で亡くなりたいと本心から思っている人は 全体の3割です。ということは、残りの7割の患者は…

ホスピスは誰のため?

9月4日、久し振りに更新されていた新城拓也先生のブログから。 先生はホスピス勤務を経て現在神戸で訪問診療をされています。 お会いしたことはありませんが、恐らく私とは同世代で、ホスピス →訪問医という流れも同じですし、共感出来る部分も多い先生です…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(2)

前回の更新からだいぶ時間が空いてしまいました。 今日は前回に引き続き、高齢者の誤嚥の問題を考えたいと 思います。さて、まず医療者、介護者にはだいたい常識的にお分かり だと思いますが、『要介護者』に当たる高齢の方々は、 どんな原因で亡くなってい…

高齢者の誤嚥と訴訟を考える(1)

7月に埼玉県の特養に入所中の86歳の女性が食事中に誤嚥し亡くなり、 「母親が亡くなったのは施設の介護ミスが原因」として40代、50代 の息子さん二人が提訴したという記事が出ていました。www.bengo4.comこの記事によると非常に短い時間で食事を詰め込んだ事…

「訪問診療をせずに往診だけお願い出来ますか?」

訪問診療をやっていると、表題のような質問を受けることが 時々あります。そもそも訪問診療というものが分かっていない 方が大部分だと思いますので少し説明をします。在宅療養支援診療所(在支診)が制定され、今の形の訪問診療が 始まったのが2006年です。…

ケトン食ががんを消す

更新が空いてしまいました。 今日は2016年に出版された、こんな本の話題を。ケトン食ががんを消す (光文社新書)作者: 古川健司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2016/10/18メディア: 新書この商品を含むブログを見る『がんが消えた系』の本は大半インチキだと…

ナルサスとナルラピド+α

自分自身の糖質制限の勉強で更新が滞ってしまいました。 特に興味があるのはがん栄養療法としてのケトン食の 効果です。まだまだブログに書かせて頂くほどの知識 も経験もありませんが…。さて本日は、新しく我が国で使用出来るようになった 強オピオイド、ヒ…

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった

非常に面白い本だったので御紹介します。うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)作者: 藤川徳美出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/07/19メディア: 新書この商品を含むブログを見る私がいつも勉強させて頂いているひらやま脳神経外科 のブロ…

がんと闘う

『闘病』という言葉があります。 がんの場合狭義には手術・放射線療法・化学療法 (いわゆる三大治療)などがんの治癒や延命効果を 期待した積極的な治療を受けることを指す場合もあり ますが、もっと広い概念で『病と対峙し生きる』 ことを指すこともあるか…