Not doing but being

東京都大田区で開業している訪問診療医のブログ。主に緩和ケア、認知症、訪問診療、介護、看取り分野の話題です

医療における「7つの習慣」

皆さんは、「7つの習慣」を御存知ですか?完訳 7つの習慣 人格主義の回復作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン出版社/メーカー: キングベアー出版発売日: 2013/08/30メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (9件) を見る…

人生会議

『死ぬときぐらい好きにさせてよ』 これは樹木希林さんの『120の遺言』のサブタイトルです。樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)作者: 樹木希林出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2019/01/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見…

やはり名称を変えた方が良いのかもしれない

やはり名称を変えた方が良いのかもしれない…「緩和ケア」のこと です。kotaro-kanwa.hateblo.jpこちらにも書いたのですが、我が国ではまず「ターミナルケア」 という言葉が使われるようになりました。がん終末期の苦痛を 軽減させるケアを指しますが、後に苦…

『在宅がん医療総合診療料』の課題(2)

昨日の続きです。昨日の記事はこちら。kotaro-kanwa.hateblo.jp『在宅がん医療総合診療料』は在宅で療養されている末期がんの 患者さんに行われる在宅医療のひとつのかたちで、「医師と 看護師合わせて週4回以上」の訪問を条件にやや高額の医療費が クリニッ…

『在宅がん医療総合診療料』の課題(1)

6月22日の日本経済新聞で、山崎章郎先生が『在宅がん医療総合 診療料の課題』を取り上げられました。私も色々と問題が起こり 得る制度だと思っていましたが、どういう訳かこれまであまり 問題視されることがなかったように思います。www.nikkei.com残念なが…

鎮静で苦痛はとれているのか

終末期に鎮静を行っていても患者さんは苦しそうだという話 を聞くことがあります。痛い、つらいのに声が出せない、と いった御自身の経験などから「苦しいのに声をあげられない のでは…」と心配する声も聞きます。基本的には、鎮静を開始するよりは楽になっ…

鎮静が必要なのは医師の技術が劣っているからか

興味深いタイトルの記事があるな、と思っていたら、大津 秀一先生 のブログでした。news.yahoo.co.jp色々な緩和ケア医がいますが、大津先生は最も勉強家で、何より とてもバランスのとれた先生の一人だと思います。おこがましい ですがとても私に近いお考え…

緩和ケア医の燃え尽き

6月24日の、日経メディカルの記事から。medical.nikkeibp.co.jp緩和ケアに携わる若手医師の69%に燃え尽き、30%に心理的 苦痛、というタイトルです。今回の、第24回日本緩和医療学会 学術大会でも発表された内容でした。緩和ケア医療に携わる 229人にMBI(M…

ホスピスはもう、「終の棲家」ではありません

少し前になりますが、私が問題に感じていたことを西智弘先生が記事 にして下さいました。皆さんの理解とは別に、ホスピスは徐々に 「最期まで過ごす場所」ではなくなって来ています。背景には診療 報酬の変更が大きく関係しています。記事の中でとても詳しく…

beingが苦痛な時は

新城拓也先生のブログ記事から。drpolan.cocolog-nifty.com新城先生は不器用なほどストイックで真面目に緩和ケア に向き合っている先生、と私は勝手に思っています。お会い したことがないので、あくまでブログの記事などからの想像 ですが。私も同じ道を歩…

身体拘束をしない同意書

樋口直美さんのツイートで、都立松沢病院の身体拘束軽減の 取り組みが特集されていることを知りました。樋口さんも 取り上げておられた、「身体拘束をしない同意書」について なるほどと思いました。同意書自体は事故の免罪符的なもの になってしまう可能性…

ACPの診療報酬点数化

エムスリーに、ACP(アドバンスケアプランニング)の普及には 診療報酬化が必要だ、という提案が、全日本病院協会の総会で出た ようですが…正直「またか」という想いで私は大反対です。ACPについて、最近私はこんな記事を書きましたが、 kotaro-kanwa.hatebl…

これからの訪問診療制度に望むこと

CBnewsで、『「医師の高齢化」は在宅医療のブレーキに?』という タイトルを見掛けました。有料記事(月4600円!)なので読めません でしたが、2015~2017年は在宅訪問診療料のレセプト数はそれまでの 増加から横ばいに転じているとのこと。それはそうでしょ…

「患者の自己決定」の難しさ

40代の女性が、人工透析を拒否した結果亡くなった、という 話が話題になっています。要点をまとめると、1.透析を止めると2週間くらいで亡くなるという話を聞いたが この時点では強い意思で拒否。同意書にもサインしている。 2.症状が苦しくなり、夫には透析…

「緩和ケア」が敬遠される理由

当該記事のコメントを見ると「緩和ケアを選ばなくてよかった って言える人生を過ごしてほしい」「緩和ケアは本当に必要 最低限な処置しかしません。治療や心電図をつけたりは一切 しません。家族にとっても本当につらい病棟です」 等とあり、悲しい(個人の…

医療連携の難しさ

昨日は、地域の医療・介護職の集まりに参加しました。 毎回活発な情報・意見交換があるのですが、昨日は 医療連携の難しさについて、でした。在宅をやって8年になりますが、医療連携については一貫して ほぼ全員に共通した悩みだと感じています。たまに悩み…

ACPは延命中止を決めることですか?

本日の、新城拓也先生のツイートの紹介から。 最近あちこちで見かけるアドバンスケアプラニングの弊害は 本当にひどくて、患者の治療を受ける権利を著しく奪って いると思う。延命治療をする・しないも 医療者の側の業務的な連絡事項になっている。 私も普段…

鎮静と安楽死

ここ最近、以前と比べて安楽死の議論がさかんになって来た ように思います。写真家幡野広志さんのブログやTwitterの 影響も少なからずあるのではないかと思います。 緩和ケアには、「鎮静」という治療が以前からありました。 患者さんの苦痛を取り除くために…

『在宅無限大』

在宅無限大: 訪問看護師がみた生と死 (シリーズ ケアをひらく)作者: 村上靖彦出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2018/12/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る年末年始に読んだ本のひとつでしたが、 なかなか興味深い内容でした。 著者の村上靖彦さ…

幸せの最大公約数

この「幸せの最大公倍数」という言葉、本日お話する 内容からは大袈裟かもしれませんが、Twitterで褒め られたので、気を良くして記事のタイトルにして みました(笑)。私は訪問診療を始める前からひとつ、 常に意識していることがあります。それは、誰かの…

『今日から第二の患者さん』

最近登録したnoteを見ていて青鹿さんの記事が目にとまり ました。note.muこれ、なんですが。私は医師になってこの方、ずっと疑問視、 問題視していたテーマだったので、漫画もすぐに購入させて 頂きました。「第二の患者さん」は、病気の患者さんの御家族の …

医師の信念と患者の気持ち

とても興味深い対談が連載中です。www.kango-roo.com少し前に御紹介した幡野広志さん(2017年に多発性骨髄腫を 発症。余命宣告を受けているフリーカメラマン)と、市立 井田病院の西先生の対談です。いきなり最初から幡野さんの するどい直球で始まります。 …

新しい『鎮静の手引き』について

今日は2018年9月に出た緩和ケア学会編の『がん患者の 治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き』、 略して『鎮静の手引き』について。これまでは緩和ケア学会 から、『苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン』 が2010年に刊行されており、…

『自分らしく』とその限界

今日は緩和ケアにおいて大切な、患者さんの 「その人らしさ」を尊重するということについて 考えてみたいと思います。「考えてみれば、ケアを提供する私達がそもそも 『自分らしさ』って何か、考えたことがない。」どこで読んだか忘れましたが、こんなことを…

「毒」になる「善意」

9月終わりにPHP onlineに載っていた、幡野広志さん の記事。一人でも多くの人に読んで、考えてもらいたい と思います。shuchi.php.co.jp幡野広志さんは、多発性骨髄腫という病気で30代で 余命3か月の宣告を受けながら、情報を発信し続けて いる、フリーのカ…

在宅看取りと事故物件

先日Twitterでお世話になっている方からお聞きし、 考えさせられたことがありましたので、皆さんにも 共有したいと思い記事にさせて頂きます。貸家で殺人事件や自殺があると、そこは事故物件 として扱われ、当然ながら入居希望者が減り、 家賃をかなり下げる…

「鎮静」という手段を知って下さい

5年余り訪問診療を行って来て、先日初めて在宅でドルミカム を使った持続的な深い鎮静を行いました。対象は若い患者さん で、身の置き所のなさとせん妄があり、家族も眠れず心を 傷めている状況でした。「眠っても良いから楽にして欲しい」 と御本人もおっし…

「美しい心」と言ってくれた

Twitterでお世話になっている、海月要さんの書いた小説です。 表題作の『「美しい心」と言ってくれた~地下にある死者の施設』 のほか、4作品が納められた短編集になっています。海月さんは 老人施設の看護師をされていますが、その日常の体験をもとに 描か…

医療者が死にゆく時

長年大病院で勤務したある看護師さんが退職後 に末期がんを告げられ、いよいよ病状が悪く なった時、自分とはふた回りくらい違う歳の 看護師の前で涙をみせられたそうです。「自分が思い描いていた最期とは違った、 こんなに辛いものだとは思わなかった」こ…

胃瘻を中止にすることは出来ない!?

ある胃瘻の患者さんの御家族から、 「胃瘻にしていると老衰は出来ないのですか?」 と尋ねられたことがあります。老衰とはこの場合、 老衰死=平穏死のことを指しているのでしょう。老衰死の場合、人は物を摂らなくなりますが、 多くの死をみているとこれは…